- びっくり母音のネイティブ発音はこんなにたくさんある!
- 8種類の「ア」のネイティブ発音を詳しく解説
- 1. [æ](cat, apple)
- 2. [ɑː](father, car)
- 3. [ʌ](cup, love)
- 4. [ə](sofa, about)
- 5. [ɛr]/[er](care, there)
- 6. [ɑ](not, hot)
- 7. [ɔ] / [ɑ](dog, law)※アメリカ英語
- 8. [ɜː] / [ɝ](bird, learn)
- アメリカ英語の母音一覧表
- 4種類の「イ」に似たネイティブ発音 を詳しく解説
- [iː](see, eat など)
- [ɪ](sit, bit など)
- 弱形[i](happy vowel:happy, city など)
- [iə]/[ɪə](二重母音:idea, here など)
- 「イ」に近い4種類の母音 の比較表
- 4種類の「ウ」に似たネイティブ発音 を詳しく解説
- [uː](長いウ:GOOSE vowel|food, two など)
- [ʊ](短いウ:FOOT vowel|good, put など)
- [juː](“ユー”:y+u の結合|use, music など)
- [ʊə]/[ʊr](“ウァ/ウァー”:poor, tour, sure など)※方言差あり
- 英語の「ウ」に近い発音まとめ表
- 日本語の「エ」に近い英語の母音
- [e] / [eɪ](例:name, day, say)
- [ɛ](例:bed, pen, get)
- [eə](例:care, there, air)※主にイギリス英語
- [ɝ](例:bird, her, learn)※アメリカ英語ではR音を伴う為
- 英語の「エ」に近い発音まとめ表
- 日本語の「オ」に近い英語の音
- [oʊ](GOAT:go, no, home など/英は [əʊ] に近い)
- [ɔː](THOUGHT:law, talk, call など)※米では地域により [ɑ] と合流
- [ɑ](LOT:hot, not, body など)
- [ɔːr]/[ɔr](“or” の「オー+r」:more, door, north など)
- 英語の「オ」に近い発音まとめ表
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びっくり母音のネイティブ発音はこんなにたくさんある!
実は日本語の「ア」に近い英語の音は1つではなく、少なくとも8種類存在します。母音の長さ・舌の位置・口の形が微妙に異なるため、日本語話者にはすべて同じ「ア」に聞こえがちですが、ネイティブには全く別の音として認識されます。
8種類の「ア」のネイティブ発音を詳しく解説
「ア」に近いネイティブ発音を8タイプに分け、各タイプごとに
- 「📸口の形」
- 「🎨舌の位置」
- 「🔊発音例(原文+ネイティブに近いカタカナ)」
で説明します
1. [æ](cat, apple)
📸 口の形
- 口を大きく縦+横に開ける(あくびと笑顔の中間のような形)
- 日本語の「ア」と「エ」の中間で、口角を左右に引きながら下に落とす
- 唇は丸めず、自然にリラックスさせる
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は前寄り・低めに置かれる
- 舌の中央部分を平らにして、口の奥よりも前方で響かせる
- 舌先は下前歯の裏に軽く触れるか、その近くでリラックス
- [ɑ](アメリカ英語の「hot」など)より前方に位置するのが大きな違い
🔊 カタカナ
- cat → キャァト
- apple → アァプル
- map → マァプ
- black → ブラァク
- family → ファァミリィ
✅ ポイント:
- 日本語には存在しない音なので、多くの学習者は 「エ」に寄せすぎる(→ケットのように聞こえる)か、逆に 「ア」に寄せすぎる(→カットのように聞こえる)傾向がある
- 正しくは 「ア」と「エ」の中間の短い母音
- 発音するときは「口を大きく開けて笑うように」すると近づきやすい
2. [ɑː](father, car)
📸 口の形
- 大きく縦に開ける(日本語の「あ」に近いが、もっと深く開く)
- 唇は丸めずリラックスした状態で自然に開く
- 口角は横に広げず、下方向に大きく開けるのがポイント
- 「口の奥から太く出すアー」というイメージ
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は後ろ寄り・低い位置に置かれる
- 舌の中央は平らにして、喉の奥で響かせる
- 舌先は下前歯の裏に軽く触れる、または力を抜いて下に置く
- [æ](cat の母音)よりも舌の位置が後ろで、さらに口を深く開ける
🔊 カタカナ(例単語)
- father → ファァザ
- car → カァ(rを強めると「カーァr」)
- start → スタァト
- palm → パァム
- spa → スパァ
✅ ポイント:
- 日本語の「あ」と近いが、より口を深く開け、喉の奥で共鳴させる
- イギリス英語(RP)では [ɑː] として長母音だが、アメリカ英語(GA)では [ɑ] として「長さ」よりも**音質(低く後ろ寄りの母音)**が重視される
- 「口を大きく縦に開き、力を抜いて太い声を喉から響かせる」イメージで発音すると近づきやすい
3. [ʌ](cup, love)
📸 口の形
- 口をやや縦に開ける([ɑː]ほど深くは開けない)
- 唇は丸めずリラックスした状態
- 口角を横に引かず、自然に力を抜いた形
- 日本語の「ア」と「オ」の中間に聞こえることが多い
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は中央寄り・低めの位置
- [æ] より少し後ろ、[ɑː] よりも前にある中間的な位置
- 舌先は下前歯の裏付近に軽く触れるか、自然に下げる
- 舌は緊張させず、力を抜いて平らに近い状態
🔊 カタカナ(例単語)
- cup → カァプ
- love → ラァヴ
- bus → バァス
- sun → サァン
- luck → ラァク
✅ ポイント:
- 短い中音で、日本語の「あ」にも「お」にも完全には一致しない曖昧な音
- アメリカ英語の典型的な「ʌ」は ストレスのある音節で現れる
- 日本語話者は 「ア」に寄せすぎる傾向があるので、少し曖昧で「弱めのア」と意識すると近づく
- イギリス英語では [ʌ] がやや前寄りに発音され、アメリカ英語ではやや後ろ寄りに聞こえることが多い
4. [ə](sofa, about)
📸 口の形
- 口を自然に軽く開ける
- 力を入れず、上下の歯の間にほんの少し空間をつくる程度
- 唇は丸めず、横にも広げず、「無力な口形」
- 他の母音のように形を強調せず、「気の抜けた口」で発音するのが特徴
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は中央寄り・中高さに置かれる
- 前でも後ろでもなく、上下でもない、ほぼニュートラルな位置
- 舌先は下前歯の裏に軽く触れるか、リラックスして下に置く
- 舌や口に力を入れず、**中途半端な「弱いア」**を作る
🔊 カタカナ(例単語)
- sofa → ソウファ →「ソウファ(最後の a は弱いア)」
- about → アバウト →「ァバウト」(最初の a は力を抜いた弱いア)
- banana → バナナ →「バナナ(真ん中の a が弱いア)」
- support → サポート →「サポート(最初の su が弱いサ)」
- police → ポリス →「プォリス(po が弱いプァ)」
✅ ポイント:
発音を強くすると違う音に聞こえてしまうので注意
**「シュワー(schwa)」**と呼ばれ、英語で最も頻繁に現れる母音
ほとんどの 無強勢(ストレスのない)音節 に現れる
日本語には存在しない音で、学習者は「ア」「エ」「オ」などで置き換えがち
正しいコツは、**「口と舌の力を抜いて短く曖昧に発音する」**こと
5. [ɛr]/[er](care, there)
アメリカ英語(General American, GA)では [eə] は存在せず、通常 [er] または [ɛr] として発音されます。
つまり、母音の後に r 音が強く結びつくのが特徴です。
📸 口の形
- 出だしは「エ」の形:口を中程度に開け、口角をやや横に引く
- そのまま r に向けて唇をすぼめる(軽く丸める動きが加わる)
- 「エ」で止めず、すぐに「アーr」とつながるイメージ
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 最初は前寄り・中高さで「エ」のポジション
- 直後に 舌先を反らせて上に近づける → r の位置へ移動
- 舌の側面は上の奥歯に軽く触れるようにして「r」の響きを作る
- 舌全体を後ろに引き、アメリカ英語特有の強い r 音に結びつける
🔊 カタカナ(例単語)
- care → ケァr(ケァー)
- there → ゼァr(ゼァー)
- air → エァr(エァー)
- fair → フェァr(フェァー)
- compare → コンペァr
✅ ポイント:
日本人学習者が「ケア」「ゼア」と言うと不自然に聞こえ、ネイティブには伝わりにくい
アメリカ英語では r を常に強く発音するため、イギリス英語のような「エア」の二重母音にはならない
実際には 「エ」+r が一体化した母音+r で、「エア」と分けるより「エァr」と一息で出す
舌先を上に反らせて「r」をしっかり響かせることが大事
6. [ɑ](not, hot)
📸 口の形
- 丸めない
- 縦にしっかり開けて「あ」に近い形
- 日本語の「ア」と「オ」の中間的な開き
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は後ろ寄り・低めに置く
- イギリス英語の [ɒ] よりも唇の丸めがない
- 舌先は下前歯の裏に軽く触れるか、リラックスして下に置かれる
🔊 カタカナ
- not →「ナート」または「ナット」に近い
- hot →「ハート」または「ハット」に近い
(※「ノォト」「ホォト」にはならず、日本人耳には「ア」に寄って聞こえる)
✅ まとめると:
- イギリス英語 → [ɒ](丸める「オ」っぽい)
- アメリカ英語 → [ɑ](丸めない「ア」っぽい)
なので「not / hot」をアメリカ人が言うと 「ナット/ハット」 のように聞こえるのです。
7. [ɔ] / [ɑ](dog, law)※アメリカ英語
📸 口の形
- 区別する地域(ニューヨーク・ボストンなど)
- [ɔ] の場合:口をしっかり丸める/「オー」に近い
- [ɑ] の場合:口を縦に開ける/丸めず「あ」に近い
- 融合する地域(西部・中西部など)
- dog / law → 両方とも [ɑ] に近く、「ダァグ」「ラァ」 のように聞こえる
🎨 舌の位置 → を詳しく
- [ɔ] の場合:舌は後ろ寄り・中高さで、少し持ち上げる(唇をすぼめる)
- [ɑ] の場合:舌は後ろ寄り・低めで、唇はすぼめず自然に開く
- 舌先はどちらも下前歯の裏に軽く触れてリラックス
🔊 カタカナ(例単語)
- dog → ドォグ(区別する地域)/ダァグ(融合地域)
- law → ロォ(区別する地域)/ラァ(融合地域)
- talk → トォク/タァク
- thought → ソォト/サァト
- caught → コォト/カァト
✅ ポイント:
英語学習者は「dog = ドッグ」と覚えがちだが、実際のアメリカ英語では 「ダァグ」に近い響き になることが多い
アメリカ英語では「cot–caught merger」が広く進んでおり、多くの地域では [ɔː] が消えて [ɑ] に置き換わっている
そのため dog は「ドォグ」ではなく 「ダァグ」 と発音する人が多い
8. [ɜː] / [ɝ](bird, learn)
📸 口の形
- 口をやや開ける(大きくは開かない)
- 口角を横に軽く引くが、笑顔ほどではない
- アメリカ英語では 舌の反りによる r 音のため、口がややすぼまる傾向がある
- 音の長さはイギリス英語では長め [ɜː]、アメリカ英語では長さより 質(r の響き) が重視される
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は中央寄り・中高さに置かれる
- 舌の後方をやや引き、奥で響きを作る
- 舌先は下前歯の裏付近に軽く触れるか、力を抜いて浮かせる
- アメリカ英語 [ɝ] では、舌先を反らせて上に近づけることで強い r 音が加わる
🔊 カタカナ(例単語)
- bird → バァドゥ(米:バーードゥ / r 明瞭)
- learn → ラァン(米:ラァrn)
- word → ワァドゥ(米:ワァrd)
- girl → ガァル(米:ガァrl)
- early → アァリィ(米:アァrリィ)
✅ ポイント:
長さよりも「r の色合い」を意識する
イギリス英語(RP): [ɜː] として r を発音せず、「バァド」に近い
アメリカ英語(GA): [ɝ]/[ɚ] として r を強く発音 → 「バーードゥ」のように r が明確に響く
日本語には存在しない曖昧な音で、学習者は「ア」「エ」「オ」で代用しがち
正しく発音するコツは:
力を抜いて口を中程度に開ける
舌を中央に置き、r 音を響かせる(特に米音)
アメリカ英語の母音一覧表
IPA (GA) | 例単語 | 日本語近似 | 舌の位置 | 口の形 |
---|---|---|---|---|
[æ] | cat | キャァ | 前・低 | 横に大きく開く |
[ɑ] | car | カァ | 後・低 | 縦に大きく開く(唇は丸めない) |
[ʌ] | cup | カァ | 中央・低 | リラックス、自然に開く |
[ə] | about | ア | 中央・中 | 力を抜く、無強勢で曖昧 |
[ɛr] / [er] | care | ケァr | 前・中 → rへ | 「エ」からすぐ r に流す |
[ɑ] | hot | ハァト | 後・低 | 縦に開ける(丸めない) |
[ɑ]/[ɔ](地域差あり) | dog | ダァグ/ドォグ | 後・低~中 | 丸めない(融合地域)/丸める(非融合地域) |
[ɝ](強勢)/[ɚ](弱勢) | bird | バーrド | 中央・中+舌を反らす | ややすぼめ、rを強調 |
✅ ポイントまとめ
- [ɑː] → [ɑ]:アメリカ英語では母音の長さは区別されず、「father, car」は [ɑ]。
- [eə] → [ɛr]/[er]:GAでは二重母音ではなく、「エ+r」の一体化。
- [ɒ] → [ɑ]:RP「ホット」は [hɒt]、GAでは [hɑt](ハット寄り)。
- [ɔː] → [ɑ]/[ɔ](地域差):cot–caught merger 地域では [ɑ] に統合、分ける地域では [ɔ]。
- [ɜː] → [ɝ]/[ɚ]:アメリカ英語では常に r が現れ、「bird = bɝd」。
4種類の「イ」に似たネイティブ発音 を詳しく解説
「イ」に似た英語の母音を4種類取り上げて、それぞれを 口の形・舌の位置・例単語 の順で整理します。
- 「📸口の形」
- 「🎨舌の位置」
- 「🔊発音例(原文+ネイティブに近いカタカナ)」
扱うのは次の4つです:
- [iː](長いイ:see など)
- [ɪ](短いイ:sit など)
- 弱形[i](happy vowel:happy など)
- [iə]/[ɪə](二重母音:idea, here など)
[iː](see, eat など)
📸 口の形
- 口角を左右に大きく引き、にっこり笑うように横に広げる
- あごはあまり下げず、口の開きは小さめ
- 息を前にスッと出す
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は前寄りで高い位置(ほぼ上あごに近い)
- 舌先は下前歯の裏に軽く触れる
- 舌の中央を高くして緊張感を持たせる
🔊 単語の発音例
- see → スィー
- eat → イートゥ
- green → グリィーン
- teacher → ティーチャー
- please → プリィーズ
[ɪ](sit, bit など)
📸 口の形
- [iː] よりも口角の引きが弱く、ややリラックス
- あごを少し下げて「イ」と「エ」の中間のように開ける
- 音は短く切る
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は前寄り・やや高め
- [iː] ほど上がらず、リラックスした位置
- 舌先は下前歯の裏に自然に置く
🔊 単語の発音例
- sit → スィッ(ト)
- bit → ビッ(ト)
- milk → ミィルク
- busy → ビィジィ
- women → ウィミン
弱形[i](happy vowel:happy, city など)
📸 口の形
- 力を抜いて軽く横に広げる
- [iː] より短く、弱く、自然な口形
- 音を長く伸ばさずに終える
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は前寄り・高めだが緊張感は少ない
- 舌中央は軽く持ち上げる程度
- 舌先は下前歯の裏にリラックスして置く
🔊 単語の発音例
- happy → ハピィ
- city → スィティィ
- movie → ムーヴィィ
- really → リィリィ
- coffee → コフィィ
[iə]/[ɪə](二重母音:idea, here など)
📸 口の形
- 最初は「イ」と同じく横に広げる
- 次に口を少し開けて「ア」に近づける
- 音が滑らかに変化する二重母音
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 始めは前寄り・高め(イの位置)
- 徐々に舌を中央寄りに下げて [ə] に移行
- 舌先は下前歯の裏付近を維持
🔊 単語の発音例
- here → ヒィア
- idea → アイディィア
- near → ニィア
- career → カリィア
- serious → スィリアス
「イ」に近い4種類の母音 の比較表
英語の「イ」に近い発音まとめ表
IPA記号 | 発音の種類 | 📸 口の形 | 🎨 舌の位置 | 🔊 単語例(カタカナ) |
---|---|---|---|---|
[iː] | 長母音 (see のイー) | 口角を大きく横に引く 口の開き小さめ 長く保つ | 舌を前寄り 高く持ち上げ、緊張感あり 舌先は下前歯の裏 | see (スィー) eat (イートゥ) green (グリィーン) teacher (ティーチャー) please (プリィーズ) |
[ɪ] | 短母音 (sit のイ) | 横に軽く広げる [iː]より開き気味 短く切る | 舌を前寄り やや高め リラックス 舌先は下前歯の裏 | sit (スィッ) bit (ビッ) milk (ミィルク) busy (ビィジィ) women (ウィミン) |
弱形 [i] | 弱母音 (happy のィ) | 力を抜いて軽く横に広げる 短く弱い | 舌は前寄り 高めだが緊張感なし 舌先は下前歯の裏 | happy (ハピィ) city (スィティィ) movie (ムーヴィィ) really (リィリィ) coffee (コフィィ) |
[iə]/[ɪə] | 二重母音 (here のイア) | 最初は「イ」で横に広げ 後半「ア」に開く 口形が変化 | 舌は前寄り 高めから始まり 中央に下がる | here (ヒィア) idea (アイディィア) near (ニィア) career (カリィア) serious (スィリアス) |
4種類の「ウ」に似たネイティブ発音 を詳しく解説
「ウ」に近い英語の音を代表的に4タイプに分け、各タイプごとに
- 「📸口の形」
- 「🎨舌の位置」
- 「🔊発音例(原文+ネイティブに近いカタカナ)」
を示します。
※日本語の「ウ」([ɯ]) は“あまり丸めない唇”ですが、英語は多くが丸める**点が大きな違いです。
[uː](長いウ:GOOSE vowel|food, two など)
📸 口の形
- 唇をしっかり丸く前に突き出す(小さな“口笛の輪”)
- 口の開きは小さめ、長めに保つ(伸ばす)
🎨 舌の位置→を詳しく
- 舌は後ろ寄り・高め(上あごに近い)
- 舌縁で奥を少し持ち上げ、中央はくぼませるイメージ
- 舌先は力を抜いて下前歯の裏付近に置く
🔊 単語の発音例
- food → フー(ド)
- two → トゥー
- blue → ブルー
- move → ムーヴ
- truth → トゥルース
[ʊ](短いウ:FOOT vowel|good, put など)
📸 口の形
- 軽く丸める([uː]より輪が小さく、力も弱い)
- 発音は短くキュッと切る
🎨 舌の位置→を詳しく
- 舌は後ろ寄り・やや高め([uː]より少し低い)
- あごは[uː]よりわずかに開く
- 舌先は力を抜いて下前歯の裏
🔊 単語の発音例
- good → グッ(ド)
- put → プッ(ト)
- look → ルッ(ク)
- could → クッ(ド)
- wolf → ウルフ(短めのウ)
[juː](“ユー”:y+u の結合|use, music など)
📸 口の形
- 最初に“イ”寄りで口角を軽く横へ → すぐ**丸めて[uː]**へ移行
- 「ユ→ウ」となめらかに二段階で動く
🎨 舌の位置→を詳しく
- 先頭は前高([j]=“イ”の舌)→ 直後に後高へスライド([uː])
- 口先は動くが、あごは大きく動かさない
- 舌先は常にリラックス
🔊 単語の発音例
- use → ユーズ
- music → ミューズィック
- cute → キュート
- beauty → ビューティー
- human → ヒューマン
[ʊə]/[ʊr](“ウァ/ウァー”:poor, tour, sure など)※方言差あり
- 多くが [ʊr] に合流(語尾の r を強く)
📸 口の形
- GA(アメリカ英語)[ʊr]
- ほぼ 短いウのまま
- 口を軽くすぼめて 舌先を上に反らせて r を発音
🎨 舌の位置 → を詳しく
GA [ʊr]
- [ʊ] の舌位置からほぼ動かさず
- 舌先を反らせて 口蓋後方に近づけ r を作る
🔊 単語の発音例
- poor
- プゥァー(r強め)
- tour
- トゥァー
- sure
- シュァー
- cure
- キュァー
- endure
- エンヂュァー
英語の「ウ」に近い発音まとめ表
IPA記号 | 発音の種類 | 📸 口の形 | 🎨 舌の位置 | 🔊 単語例(カタカナ) |
---|---|---|---|---|
[uː] | 長母音 GOOSE vowel food のウー | 唇をしっかり丸めて前に突き出す 口の開きは小さめ 長く伸ばす | 舌を後ろ寄り・高く持ち上げる 舌先は下前歯の裏 | food (フードゥ) two (トゥー) blue (ブルー) move (ムーヴ) truth (トゥルース) |
[ʊ] | 短母音 FOOT vowel good の短いウ | 軽く丸める [uː]より輪が小さい 短く切る | 舌を後ろ寄り・やや高め [uː]より少し低い 舌先はリラックス | good (グッ) put (プッ) look (ルッ) could (クッ) wolf (ウルフ) |
[juː] | 二重音 “ユー” use のユー | 最初は“イ”で横に広げ すぐ丸めて [uː] へ移行 | 舌は前高位置([j])から後高位置([uː])へスライド | use (ユーズ) music (ミューズィック) cute (キュート) beauty (ビューティー) human (ヒューマン) |
[ʊə]/[ʊr] | 二重母音または母音+r RP: poor [ʊə] GA: poor [ ʊr] | RP:[ʊ] から軽く開いて [ə] に GA:[ʊ] から r へすぼめる | RP:後舌やや高め→中央へ下がる GA:[ʊ]から舌先を反らせて r | poor (プゥア/プゥァー) tour (トゥア/トゥァー) sure (シュァ/シュァー) cure (キュア/キュァー) endure (エンヂュア/エンヂュァー) |
✅ この表を見れば、日本語の「ウ」と比べて「長い・短い・二重音・r付き」などの違いが一目でわかります。
✅ 「ウ」に近い主要な発音を [uː], [ʊ], [juː], [ʊə]/[ʊr] の4タイプとして整理しました。
日本語の「エ」に近い英語の母音
日本語の「エ」に近い英語の母音 を整理して解説します。
実際の英語には「エっぽい音」が複数あり、日本語話者には似て聞こえてもネイティブには別の音として区別されます。
代表的には次の 4種類 があります。
- [e] / [eɪ](エイ)
- [ɛ](エ:bed の短いエ)
- [eə](エア:care の二重母音)
- [ɜː](アとエの中間:bird, her の音)
それぞれについて詳しく解説します。
[e] / [eɪ](例:name, day, say)
📸 口の形
- 最初は 軽く横に広げて「エ」
- そのまま少し口角を引いて「イ」にスライド(エ→イ)
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は前寄り・中くらいの高さ
- [eɪ] の場合は前中 → 前高にスライド
- 舌先は下前歯の裏付近にリラックス
🔊 単語の発音例
- name → ネイム
- day → デイ
- say → セイ
- face → フェイス
- play → プレイ
[ɛ](例:bed, pen, get)
📸 口の形
- 口を横に軽く広げる
- [eɪ] より開きが少し大きい
- 日本語の「エ」よりやや低めでリラックスした形
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は前寄り・中低
- [i] より低く、[æ] より高い位置
- 舌先は下前歯の裏に置く
🔊 単語の発音例
- bed → ベッド
- pen → ペン
- get → ゲット
- red → レッド
- friend → フレンド
[eə](例:care, there, air)※主にイギリス英語
📸 口の形
- 最初は「エ」で軽く横に広げる
- そこから口を少し開き「ア」に近づける
- 二重母音のため口の形が動く
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は前寄り・中高さから始まる
- その後中央寄りに下がっていく
- 舌先はリラックスして下前歯付近
🔊 単語の発音例
- care → ケァ(アに近づく)
- there → ゼァ
- air → エァ
- fair → フェァ
- compare → コンペァ
[ɝ](例:bird, her, learn)※アメリカ英語ではR音を伴う為
📸 口の形
- 口は中くらいに開ける(横にも縦にも大きくは開かない)
- 唇は自然にリラックス、丸めない
- アメリカ英語では r に引っ張られて口をすぼめる
🎨 舌の位置 → を詳しく
- 舌は中央・中高さ
- 舌の中央を少し持ち上げ、後方に引く
- アメリカ英語の [ɝ] では舌先をやや反らして r を伴う
🔊 単語の発音例
- bird → バァードゥ
- her → ハァー
- learn → ラァーン
- word → ワァードゥ
- early →アァーリィ
日本語の「エ」に近い英語母音を4種類に分けて、口の形・舌の位置・例単語と一緒に表に整理します。
英語の「エ」に近い発音まとめ表
IPA記号 | 発音の種類 | 📸 口の形 | 🎨 舌の位置 | 🔊 単語例(カタカナ) |
---|---|---|---|---|
[e]/[eɪ] | 二重母音 (name, day の「エイ」) | 最初「エ」で横に軽く広げる そのまま「イ」にスライド 口の開きは小さめ | 舌は前寄り・中高さから前高に上がる 舌先は下前歯の裏 | name (ネイム) day (デイ) say (セイ) face (フェイス) play (プレイ) |
[ɛ] | 短母音 (bed の「エ」) | 横に軽く広げる [eɪ] より開きが大きめ リラックス | 舌は前寄り・中低位 [i] より低く、[æ] より高い | bed (ベッド) pen (ペン) get (ゲット) red (レッド) friend (フレンド) |
[eə] | 二重母音 (care, air の「エア」主に英) | 最初「エ」で横に広げる 少し開いてアに移動 口の形が変化 | 舌は前寄り・中高さから中央へ下がる | care (ケァ) there (ゼァ) air (エァ) fair (フェァ) compare (コンペァ) |
[ɜː]/[ɝ] | 中央母音(bird, her の「アとエの中間」) | 口を中くらいに開け、唇はリラックス 米は r でややすぼめる | 舌は中央・中高さ 米 [ɝ] は舌先を反らして r を伴う | bird (バード/バァード) her (ハー/ハァー) learn (ラーン/ラァーン) word (ワード/ワァード) early (アーリィ/アァーリィ) |
✅ こうして整理すると、日本語の「エ」では区別しない部分が、英語では 長さ・舌の高さ・二重母音・rの有無 で大きく変わることが分かります。
✅ まとめると、日本語の「エ」一音に相当する部分が、英語では [eɪ], [ɛ], [eə], [ɜː] と多彩に分かれています。
日本語の「オ」に近い英語の音
日本語の「オ」に近い英語の音は主に次の4タイプです。
[oʊ](GOAT:go, no, home など/英は [əʊ] に近い)
📸 口の形
- まず中くらいに丸めた「オ」で始める → そのままややすぼめて滑らかに終わる
- 口の開きは小さめ、長めに伸ばす(二重母音)
🎨 舌の位置→を詳しく
- 中後部・中高位から開始 → 後寄り・やや高めへ上がる([o]→[ʊ]のイメージ)
- 舌先は力を抜いて下前歯の裏付近
🔊 単語の発音例
- go → ゴウ
- no → ノウ
- home → ホウム
- open → オウプン
- phone → フォウン
[ɔː](THOUGHT:law, talk, call など)※米では地域により [ɑ] と合流
📸 口の形
- しっかり丸めた「オー」
- あごを中くらいに下げる([oʊ]より開き大きめ)
- 長く保つ(「ー」感)
🎨 舌の位置→を詳しく
- 後舌・開き気味(開中)で丸唇
- 舌の中央をやや凹ませ、後方で共鳴
- 米英差:米の一部は [ɑ] に近づき丸めが弱い
🔊 単語の発音例
- law → ロー(地域差で「ラー」に近い所も)
- talk → トーク(地域差:ターク寄り)
- thought → ソート
- caught → コート
- call → コール
[ɑ](LOT:hot, not, body など)
📸 口の形
- 短い「オ」でやや丸める
- [ɔː]より開きが大きく、長さは短い
🎨 舌の位置→を詳しく
- 後舌・低位([ɔː]よりさらに下)
- 丸唇(米の [ɑ] ではほぼ丸めない)
- あごはしっかり下げる
🔊 単語の発音例
- hot → ハット
- not → ナット寄り
- body → バディ寄り
- modern → マダン寄り
- coffee → カーフィ寄
[ɔːr]/[ɔr](“or” の「オー+r」:more, door, north など)
📸 口の形
- 丸めた「オー」からそのままややすぼめ
- r に向けて口を小さく(米はrを強く響かせる)
🎨 舌の位置→を詳しく
- 後舌・開中~中位で開始 → r で舌先を上に反らせ口蓋後方へ(米)
- 非巻舌の英では r を弱め、母音成分が長く残る
🔊 単語の発音例
- more → モー(ァ)r
- door → ドー(ァ)r
- floor → フロー(ァ)r
- north → ノース(舌先反り)
- sport → スポート(米:r明瞭)
メモ:
- [oʊ] は“動くオ”(二重母音)、[ɔː] は“止まるオー”(長母音)。
- 英(RP)の hot は [ɒ]、米(GA)は多くが [ɑ](丸めない「ア」寄り)。
- 北米の広い地域で cot–caught 合流:[ɔː] ≈ [ɑ](law と lot が同じ音になる)。
承知しました!😊
それでは、日本語の「オ」に近い英語の発音を代表的な4種類に分けて、口の形・舌の位置・例単語をまとめた表を作成しました。
英語の「オ」に近い発音まとめ表
IPA記号 | 発音の種類 | 📸 口の形 | 🎨 舌の位置 | 🔊 単語例(カタカナ) |
---|---|---|---|---|
[oʊ] | 二重母音 (go, no の「オウ」) | 最初「オ」で丸め そのまま少しすぼめる 口は小さめで長く伸ばす | 舌は中後部から後高へスライド 舌先は下前歯の裏 | go (ゴウ) no (ノウ) home (ホウム) open (オウプン) phone (フォウン) |
[ɔː] | 長母音 (law, talk の「オー」) | 丸く大きくすぼめて「あごを中程度下げる」 長めに保つ | 舌は後舌・中低位 中央は軽くくぼみ後方で共鳴 | law (ロー) talk (トーク) thought (ソート) caught (コート) call (コール) |
[ɑ] | 短母音 「ア」寄り) | 短い「オ」で軽く丸める [ɔː] より短く開き大きめ | 舌は後舌・低位 [ɑ] はほぼ丸めず「あ」に近い | hot (ハット) not (ナット) body (バディ) modern (マダン) coffee (コーフィ) |
[ɔːr]/[ɔr] | 母音 + r (more, door の「オーr」) | 丸めた「オー」からそのまま r へ r を強く響かせる | 舌は後舌・中位から始め、r で舌先を反らせる | more(モーァr)、door(ドーァr)、floor(フローァr)、north(ノース)、sport(スポート) |
✅ このように、日本語の「オ」は英語では 二重母音・長母音・短母音・r付き母音 に分かれて発音されます。
特に アメリカ英語では [ɒ] が [ɑ] に変わる(cot–caught 合流)点が大きな特徴です。
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