ビートルズの「Let It Be」の発音と注意ポイント
ビートルズの「Let It Be」における発音は、イギリス英語の標準的な発音(RP)ではなく、リヴァプール訛り(スカウス)も混ざったポール・マッカートニー特有の歌い方です。ただし、歌の中では発音がかなり滑らかで国際的にも聞き取りやすいものになっています。
実際の発音の特徴
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Let it be は実際の歌では
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「レリビー」に近く聞こえます。
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ポイント解説
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Let はほぼ「レット」ですが、t音ははっきりせず、「レッ」に近い軽い発音。
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it は非常に短く弱く、「イッ」や「ィ」に近い。
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実際、「レッ・イッ・ビー」というより 「レリビー」 のようにリエゾン(音のつながり)が起こります。
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be は「ビー」、語尾が強調されます。
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実際のフレーズの例:
歌詞 | 実際の発音に近い音 |
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Let it be | レリビー |
Whisper words of wisdom, let it be | ウィスパー ワーズ オブ ウィズダム、レリビー |
特に「it」のt音は消えることが多く、「レッ・イット・ビー」ではなく「レリビー」と流れます。
音声的な補足
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ポール・マッカートニーは基本的にとてもクリアな発音です。
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アメリカ英語よりも「r」音は弱く、「whisper」も「ウィスパー」。
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全体的に柔らかい発音で、子音がつながって一つの流れるようなフレーズになります。
練習コツ:
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「Let it be」は3つの単語を一息でつなげるイメージ。
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「t」は飲み込む(止める)か、軽く発音。
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be をしっかり伸ばして歌うのがポイントです。
「water(ワーター)」が「ワダー」ではなく「ワラ―」に聞こえる理由は、英語特有の音声変化(flap音)と母音の弱化(曖昧母音化)が関係しています。
✅ 理由①:flap音(フラップ音)
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アメリカ英語では「t」と「d」の間の音になる現象があります。
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water の t は flap音 /ɾ/ という音で、舌先が一瞬だけ上あごにタップして跳ねます。
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この音は「d」にも「t」にも聞こえず、日本語の「らりるれろ」に近い軽い「ラ行」のタップ音になります。
例:
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water → ワラ―
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butter → バラー
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better → ベラー
✅ 理由②:曖昧母音化(シュワ音 /ə/)
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water の最後の -er は、はっきり「ター」と発音せず、口をほぼ開かずに弱く曖昧な母音になります。
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アメリカ英語だと「ウォラー(ワラ―)」のような響きになります。
👉 「ウォーター」 → 「ワラ―」 に近い。
✅ 補足:実際の音の流れ
英語 | 丁寧な発音 | 速い発音 | カタカナ近似 |
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water | /ˈwɔː.tər/ | /ˈwɑː.ɾər/ | ワラ― |
※特にアメリカ英語では第一母音が /ɑː/ や /ɔː/、t→ɾ、rは残るので「ワラ―」。
✅ 実践ポイント
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イギリス英語:ウォーター(tをしっかり発音)
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アメリカ英語:ワラ―(tがラ行っぽくなり、最後のrも弱い)
📝 まとめ:
現象 | 内容 | 効果 |
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flap音 | tがラ行っぽい音に | t → ラ行化 |
曖昧母音化 | -erが曖昧母音 | ター → アー に近い |
リエゾン効果 | 音のつながりがスムーズに | 「ワラ―」のように滑らか |
ビートルズの「Let It Be」の歌詞の中には、特に音が短く省略されたり、リエゾン(音のつながり)が起きたり、日本人が聞き取りにくいポイントがいくつかあります。
🎵 代表的な歌詞と注意ポイント
① Let it be → レリビー
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it の t 音が消えて、「レリビー」のようになります。
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日本語だと「レット イット ビー」と切りたくなりますが、実際は1語のように流れます。
② Speaking words of wisdom → スピーキン ワーズァウィズダム
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speaking の g がほぼ発音されず「スピーキン」
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words of が ワーズァ にリエゾン
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of は /əv/ という弱い「アヴ」ですが、早口では ァ と超短くなる
実際のイメージ:
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speaking words of wisdom → 「スピーキン ワーズァウィズダム」
- ウィズも「ウイズ」と言わずに「ウィ」を1文字のように発音します
③ Mother Mary comes to me → マザメリィ カムストゥミー
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Mother Mary が「マザメリィ」とかなり滑らか
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comes to が カムストゥ に近く、「カムズ トゥ」じゃなく カムス に聞こえがち
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to の音は短く弱く「トゥ」より「トゥ(ʌ)」に近い
④ Whisper words of wisdom → ウィスパ ワーズァウィズダム
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whisper も r が弱いので「ウィスパー」じゃなく ウィスパ に近い
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of がまた弱く曖昧、「オブ」じゃなく「ァ」
✅ よくある聞き取りにくいポイントまとめ
フレーズ | 実際の音 | ポイント |
---|---|---|
Let it be | レリビー | t消失、リエゾン |
Words of | ワーズァ | ofが短縮 |
Speaking | スピーキン | ingのgが消える |
Comes to | カムストゥ | s + tの連結 |
Whisper | ウィスパ | r音が弱い |
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