- ミニマルペアってなに?知らないと英会話は難しい
 - R と L の“設計図”早見表
 - 仕上げドリル(30秒ルーティン)
- ② B と Vの発音方法と気を付ける事
 - 🔤 B と V の発音の違い(解説付き)
 - 🎤 B と V の比較まとめ
 - ③ S と SHの発音方法と気を付ける事
 - S と SH の発音を完全攻略
 - S(/s/)の出し方 ―「舌先は歯茎の手前、中央の細い溝でスーッ」
 - SH(/ʃ/)の出し方 ―「舌は少し奥、唇は軽くすぼめて“シュ〜”」
 - ④ F と Hの発音方法と気を付ける事
 - F(/f/)の出し方 ―「上の前歯を下唇に軽く当ててスーッ」
 - H(/h/)の出し方 ―「のど(声門)で息を通す“ささやき”」
 - F と H の“設計図”早見表
 - 仕上げドリル(30秒ルーティン)
 - /θ/(無声 th)と /s/(無声 s)の発音を完全攻略
 - /θ/ の出し方 —「前歯の“間”でやさしくこする風」
 - /s/ の出し方 —「歯茎手前、舌中央の“細い溝”でスーッ」
 - /θ/ と /s/ の“体感”で分かる違い(早見表)
 - ミニマルペア(/θ/ vs /s/)— 10組
 
 - 仕上げドリル(毎日30秒)
 - /ð/(有声「th」)・/z/・/d/ を“動き”で理解する
 - 1) /ð/(有声 th)—「歯の間で“やさしく”震える」
 - 2) /z/ —「歯茎の手前で細い溝、蜂のブーン」
 - 3) /d/ —「歯茎でタッチ→密閉→弾く」
 - /ð/ と /z/・/d/ の“決定的ちがい”早見表
 - ミニマルペア(聞き分け&言い分け)
 - スペリング小ワザ
 - 仕上げドリル(毎日30秒)
 - まず結論(ワンフレーズ)
 - /ɪ/(短い“イ”)の作り方
 - /iː/(長い“イー”)の作り方
 - 体感で分けるチェック(30秒)
 - リスニングのコツ
 - スペルの目安(完全な規則ではありません)
 - ミニマルペア(原文/意味/IPA/ネイティブカタカナ)
 - 使えるフレーズで即実戦
 - 仕上げドリル(毎日60秒)
 - 要点ひとまとめ(まずここだけ)
 - /æ/(cat の母音)の作り方
 - /ʌ/(cup の母音)の作り方
 - すぐ分かる対比(鏡チェック)
 - ミニマルペア集(/æ/ vs /ʌ/)
 - まず要点(ワンフレーズで記憶)
 - /ɑː/ の作り方(father の母音)
 - /ɔː/ の作り方(thought の母音)
 - /ɑː/ と /ɔː/ の“見える化”早見表
 - ミニマルペア集(/ɑː/ vs /ɔː/)
 - 聞き分け&言い分けのコツ
 - 30〜60秒ルーティン(毎日)
 - つまずきの直し方
 - まず要点(ワンフレーズ記憶)
 - 代表パターン別:発音の仕方(口の動きガイド)
 - ミニマルペア(Silent Letter を含む実用ペア)
 - 仕上げの練習(毎日30秒)
 - よくあるつまずき → 速攻で直すコツ
 - 🎯 まとめ
 - ミニマルペア練習用例文集
 - カタカナ表記(バリエーション)
 - 発音の注意ポイント
 - 例:言い方の違い(強勢と丁寧さ)
 - よくある混同(can / can’t)
 - カタカナ(ネイティブ寄りバリエーション)
 - 発音の注意ポイント
 - よくあるつまずき&コツ
 - イントネーション(自然な言い方)
 - ミニ比較(意味の差)
 - カタカナ表記(自然→速い→ていねい)
 - 発音の注意ポイント
 - よくあるつまずき&コツ
 - ミニ比較(ニュアンス)
- ③ S と SH
 - カタカナ表記(ていねい → 自然 → 速い)
 - 発音の注意ポイント
 - リンキング&同化(よく起こる変化)
 - イントネーション(抑揚)
 - よくあるつまずき&対策
 - ミニ比較(言い換え)
 - カタカナ表記(自然 → 速い → ていねい)
 - 発音の注意ポイント
 - リンキング&弱化(どう繋がる?)
 - イントネーション(意味の出し分け)
 - よくあるつまずき&コツ
 - ミニ比較(意味・ニュアンス)
 - ④ F と H
 - カタカナ表記(ていねい → 自然 → 速い)
 - 「Han」の発音バリエーション(どちらかご本人の好みで)
 - 発音の注意ポイント
 - イントネーション(抑揚)
 - よくあるつまずき & コツ
 - ミニ応用品(場面別)
 - ⑤ Th(/θ/)と S
 - ⑥ Th(/ð/)と Z/D
 - ⑦ Short /ɪ/ と Long /iː/
 - ⑧ Short /æ/ と Long /ʌ/
 - ⑨ O 音の違い
 - ⑩ Silent Letter
 
 - 🎯 まとめ
 - 関連投稿:
 
ミニマルペアってなに?知らないと英会話は難しい

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ミニマルペアとは?英語学習に役立つ発音トレーニングの基本
英語を学んでいると「似ているのに違う音」がたくさん出てきます。
例えば、日本人が特に苦手とする 「r」と「l」 の違い。
- right(右)
 
- light(光)
 
このように、たった一つの音が違うだけで意味が変わってしまう単語の組み合わせを「ミニマルペア(minimal pairs)」と呼びます。
🔎 ミニマルペアの定義
ミニマルペアとは、ある言語において、1つの音だけが異なり、その違いによって意味が変わる語のペアを指します。
例:ship(船) と sheep(羊)
→ 母音 /ɪ/ と /iː/ の長さの違いで意味が変化
例:bat(コウモリ/バット) と pat(軽くたたく)
→ /b/ と /p/ の子音の違いで意味が変化
この「1つの音だけが違う」という点が大きなポイントです。
🗣️ なぜミニマルペアが大切なのか?
1. 発音力アップ
日本語には存在しない音の違いを意識して練習できるため、発音の精度が高まります。
2. リスニング力アップ
自分で発音できる音は聞き取りやすくなるため、リスニング力の向上にも直結します。
3. コミュニケーション力向上
音を間違えると、相手に全く違う意味で伝わってしまうことがあります。
例えば:
- rice(ご飯) と lice(シラミ)
→ 間違えると大惨事…! 
📖 英語学習でよく使うミニマルペアの例
子音の違い
- fan(扇風機) vs van(ワゴン車)
 
- cap(帽子) vs gap(隙間)
 
母音の違い
- sit(座る) vs seat(席)
 
- full(いっぱいの) vs fool(愚か者)
 
r と l
- road(道) vs load(荷物)
 
- play(遊ぶ) vs pray(祈る)
 
🎵 効果的な練習法
- 耳で聞き分ける練習
ネイティブの発音を聞いて、どちらの単語かを当てるクイズ形式で練習。 - 口で言い分ける練習
録音して「自分の発音」と「ネイティブの発音」を比べる。 - 歌や会話の中でチェック
歌詞やフレーズの中で音の違いを意識してみると効果的。 
💡 まとめ
ミニマルペアは単なる「似た単語」ではなく、発音の違いで意味が変わることを学べる貴重な教材です。
特に日本人が苦手とする r/l, b/v, s/ʃ, 母音の長短 などは、ミニマルペアを使って練習することで確実に上達します。
👉 英語学習で「聞き取れない」「通じない」と悩むときは、まずミニマルペアから始めるのがオススメです!
日本人が特に苦手なミニマルペアTop10
英語学習者にとって「ミニマルペア(minimal pairs)」は発音・リスニングのトレーニングに欠かせません。
特に日本人は、母語の音体系と大きく異なる英語の発音に戸惑うことが多く、聞き分けや発音の誤解が起きやすいのです。
ミニマルペア特徴と攻略ポイント10選
日本人が特に苦手とするミニマルペアを10組ピックアップし、その特徴と攻略ポイントを解説します。
① R と Lの発音方法と気を付ける事
- right(右) vs light(光)
 - road(道) vs load(荷物)
 
🔑 ポイント:
日本語には 舌を丸める /r/ (舌を口の奥で丸めてどこにも接触させない)や 舌先を上の歯茎につける /l/ の区別がないため、聞き分けが難しい。
- /r/ 舌を口の奥で丸めてどこにも接触させない
/l/ 舌先を上の歯茎につける
(その状態でルと発音するとウに近い音に聞こえる) 
R(/ɹ/)の出し方 ―「舌先はどこにも触れない」
要点(ワンフレーズ)
舌先は浮かせたまま、舌の“中央~後ろ”で通路を作り、唇をややすぼめて声を通す。
ポジション
- 舌先:上の歯茎(※前歯のすぐ後ろのザラザラ)に触れない。常に“浮いたまま”。
 - 舌本体:
- どちらでもOK → ①レトロフレックスR:舌先を軽く反らせて後ろ寄りに近づける
 - ②バンチトR:舌先は前方に残し、舌の中央~後ろを持ち上げる
どちらも「舌の中央に細いトンネル」ができ、そこを息と声が通る。 
 - 唇:軽くすぼめる(特に語頭・語末で強くなりやすい)。
 - 息/声:有声音。摩擦音(スースー)にならないように、滑らかに通す。
 
日本語との違い・失敗例
- 日本語のラ行ははじき音 [ɾ](舌先が歯茎に一瞬タッチ)。これをやると R ではなく L/D っぽく聞こえる。
 - 唇を丸めず、舌先が触れてしまう → L化してしまう。
 
セルフチェック
- 指先で上歯茎を触れながら「rrrr」。舌が指に当たらなければ合格。
 - 小さな紙片を唇の前に置き「rrrr」。紙が前に軽く押される(丸唇の気流)。
 
3ステップ練習
- 母音+R:
ər(アー+R)→ or /ɔr/ → ar /ɑr/(舌先は終始ノータッチ) - 語頭:red, right, road(丸唇を意識)
 - 語末:car, more, ear(AmEでは語末Rも発音)
 
最小対(聞き分け)
- right /ɹaɪt/(ゥライト) vs light /laɪt/(ライト)
 - rock /ɹɑk/(ゥロック) vs lock /lɑk/(ロック)
 - fry /fɹaɪ/(フゥライ) vs fly /flaɪ/(フライ)
 
L(/l/)の出し方 ―「舌先は歯茎にタッチ、息は“横から”」
要点(ワンフレーズ)
舌先を歯茎に軽く当てて、その両サイドから息を流す“側音”。唇は丸めない。
ポジション
- 舌先:上の歯茎に軽く接触(“タッチして保つ”がコツ。弾かない)。
 - 舌の側面:上の奥歯に軽く沿わせ、息は舌の横から抜ける(これが“側音”)。
 - 唇:丸めない(自然な形)。
 - 息/声:有声音。摩擦ではなくなめらかな通過。
 
2タイプのL
- ライトL [l](語頭・母音前):舌後部は平ら。light, leave, lucky
 - ダークL [ɫ](語末・子音前):舌後部をぐっと持ち上げる。母音に軽い「ウ」成分が混ざる。ball, milk, help
→ 日本語の「ル」を足すとballuのように余計な母音が付くので要注意。 
日本語との違い・失敗例
- 舌先を触れずに出す → R化して light が right に聞こえる。
 - 語末で「ル」を足す → ball が ボール(母音過多)になってしまう。
 
セルフチェック
- 舌先を上歯茎に置いたまま 「llll…」 と1秒保持(弾かず、横から風)。
 - 語末Lは舌先を置いたまま息を止めて終わる(ボォ⤵︎)。「ル」を付けて終わらない。
 
3ステップ練習
- 語頭:light, like, lemon(タッチ→保持→離す)
 - 語中:pilot, yellow, really
 - 語末:ball, school, help, milk(余計な母音ゼロでフィニッシュ)
 
最小対(聞き分け)
- light /laɪt/(ライト) vs right /ɹaɪt/(ゥライト)
 - glass /ɡlæs/(グラス) vs grass /ɡɹæs/(グゥラス)
 - collect /kəˈlɛkt/ vs correct /kəˈɹɛkt/
 
R と L の“設計図”早見表
| 項目 | R (/ɹ/) | L (/l/) | 
|---|---|---|
| 舌先 | 触れない(常に浮かせる) | 歯茎にそっとタッチ | 
| 主役 | 舌の中央~後部で狭める | 舌先の接触+舌側面からの気流 | 
| 唇 | 軽くすぼめること多い | 丸めない | 
| 気流 | 中央のトンネルを直進 | 左右の側面から抜ける | 
| 典型エラー | 日本語ラ行のはじき音になる | 語末に母音を足す(ball→ボール) | 
仕上げドリル(30秒ルーティン)
- Rウォームアップ:
uh→ər→ar→or→ir(う→アー→アール→オール→イアー)
※舌先ノータッチ&軽い丸唇 - Lウォームアップ:
la la la(保持1秒) / al, il, ol(語末L)
※舌先タッチ&側面から風、語末は母音ゼロ - 最小対×3(テンポよく3周)
right–light / rock–lock / fry–fly 
必要であれば、R/L の口形イラスト(B/Vで作成したものと同じ教育用スタイル)も用意できます。音声練習用の**MP3(ゆっくり→会話速)**も合わせて作成可能です。
② B と Vの発音方法と気を付ける事
- bat(バット/コウモリ) vs vat(桶)
 - best(最高) vs vest(ベスト)
 
🔑 ポイント:
日本語の「バ行」では下唇を噛んで息を漏らす /v/ が存在しない。/v/ は下唇を軽く噛み、声を震わせるのがコツ。
「B と V の発音の仕方」を、舌・唇・息の使い方をできるだけ具体的に解説します。
🔤 B と V の発音の違い(解説付き)
① B の発音 (/b/)
👉 日本語の「バ行」に近いが、英語ではより明確に息と声を使う。
- 舌の位置:特別な動きはしない。口の中でリラックス。
 - 唇の形:
両方の唇をしっかり閉じる。
(日本語の「バ」と同じく、唇で空気をせき止める) - 息の吐き方:
唇を閉じた状態で声帯を震わせて声を出し、次に「パッ」と弾けるように息を出す。
→ 例:「ball(ボール)」
[ボ]ではなく [バ] に近い強さで音を出す。 
💡 イメージ:
「口を閉じてから“爆発させる”」 → バッ!
② V の発音 (/v/)
👉 日本語には存在しないため、日本人が苦手な音。
- 舌の位置:特別な動きはしない。
 - 唇の形:
上の前歯を下唇に軽く当てる。
(思いっきり噛まないで、そっと触れる感じ) - 息の吐き方:
当てた歯と唇の隙間から「ジーー」と摩擦音を出す。
声帯を震わせながら出すので、有声音になる。
→ 例:「very(ヴェリー)」
カタカナの「ベリー」ではなく 「ヴェリー」。 
💡 イメージ:
「下唇に電動歯ブラシを当てて“ビリビリ震える”感じ」
🎤 B と V の比較まとめ
| 音 | 口の形 | 舌 | 息の出し方 | 日本語で近い音 | 
|---|---|---|---|---|
| B (/b/) | 両唇を閉じる | 使わない | 一度止めてから声と一緒に弾く | バ行に近い | 
| V (/v/) | 上歯を下唇に軽く当てる | 使わない | 息を擦らせて声帯を震わせる | 日本語にない、近いのは「ヴ」 | 
🔑 練習法
- 手で唇を触って確認
- B を発音 → 唇が「ポン」とはじける感覚
 - V を発音 → 下唇が歯に触れて「ジーー」と震える感覚
 
 - ミニマルペアで練習
- bat(バット) vs vat(桶)
 - best(最高) vs vest(ベスト)
 - berry(ベリー) vs very(ヴェリー)
 
 
③ S と SHの発音方法と気を付ける事
- see(見る) vs she(彼女)
 - sip(すする) vs ship(船)
 
🔑 ポイント:
日本語の「シ」は /ʃ/ に近いが、「ス」は /s/。そのため混同しやすい。/ʃ/ は舌をやや奥に引き、息を摩擦させる。
S と SH の発音を完全攻略
日本語「ス」「シ」との違い、セルフチェック、最小対(ミニマルペア)練習も入れました。
S(/s/)の出し方 ―「舌先は歯茎の手前、中央の細い溝でスーッ」
要点(ワンフレーズ)
舌先は歯茎手前に近づけるだけで触れない。舌の中央に溝(グルーヴ)を作り、唇は丸めずに高い音の摩擦を出す。
ポジション(静止形)
- 舌先:上の歯茎の手前まで近づける(非接触)。
 - 舌の形:中央に細い溝を作る(息の通り道)。両側は上の奥歯に軽く沿うことが多い。
 - 歯:上下の歯のすき間を細くあける(軽く見える程度)。
 - 唇:丸めない(横にやや引くくらい)。
 - 息:強め・速めに一直線。ヒューではなくスーッ(高周波の鋭い音)。
 
日本語との違い・失敗例
- 日本語の「ス」は母音 /ɯ/ が同時に出やすく、su ぽくなる。英語の /s/ は子音だけを保てる。
 - 唇を丸めたり、舌先を下げすぎると弱く曇る音になりやすい。
 
セルフチェック
- 鏡で「歯のすき間」が細く見えているか。
 - ティッシュを2~3cm前に置き「ssss」。まっすぐ細い風が当たる(広がりすぎない)。
 - 録音して高い「スー」音になっているか(ヒュッと低くならない)。
 
3ステップ練習
- 単音:
s—s—s(1秒保持×3) - 子音+母音:
sa se si so su(すべて子音先行、母音は最小) - 語頭・語中・語末:see, city, miss(語末は母音ゼロで止める)
 
SH(/ʃ/)の出し方 ―「舌は少し奥、唇は軽くすぼめて“シュ〜”」
要点(ワンフレーズ)
舌先は歯茎より少し後ろ(後部歯茎)へ近づけ、舌面を広くふくらませる。軽い丸唇で、低めで太い摩擦を出す。
ポジション(静止形)
- 舌先:歯茎の少し後ろ(後部歯茎)に近づけるだけで触れない。
 - 舌の形:中央の溝は S より太め・浅め。前縁を持ち上げて広い狭めを作る。
 - 唇:軽く丸める(Sより前方で共鳴)。
 - 息:S よりややゆっくり・太めに。耳にはシュ〜と低めに聞こえる。
 
日本語との違い・失敗例
- 日本語の「シ」は**[ɕ](舌面の前寄り+強い口角)のことが多く、英語 /ʃ/ より前寄り・明るい音**。
 - 唇を丸めずに出すと S と混ざる。逆に丸めすぎると /ʒ/ や /ʂ/ のように曇る。
 
セルフチェック
- 録音して S より低めで“太い”摩擦になっているか(シャー/シュ—)。
 - 唇を軽くすぼめた時の方がはっきりSHに聞こえるか比較。
 
④ F と Hの発音方法と気を付ける事
- fan(扇風機) vs han(ハン →人名)
 - fine(良い) vs hine(存在せず、誤解されやすい発音)
 
🔑 ポイント:
日本語には /f/ の音が「フ」しかないため、母音によって混乱する。/f/ は上の歯を下唇に軽く当てて息を出す。
F(/f/)の出し方 ―「上の前歯を下唇に軽く当ててスーッ」
要点(ワンフレーズ)
上の前歯を下唇にそっと触れさせ、そのすき間で息をこすらせる無声音。舌は基本ノータッチ。
ポジション(静止形)
- 唇/歯:上の前歯のエッジを下唇に軽く当てる(噛まない)。
 - 舌:力を抜いて床。特に使わない。
 - 歯の見え方:鏡で上の前歯が少し見える。
 - 息:前歯と下唇の細いすき間から連続摩擦音を出す(スーーッ)。
 - 声帯:振動しない(無声音)。※/v/はここを振動させるだけの違い。
 
日本語との違い・よくある誤り
- 日本語の「フ」は多くが両唇摩擦 [ɸ](上下の唇だけで摩擦)。
→ 英語 /f/ は上歯×下唇の歯唇摩擦。ここが最大の差。 - 母音を足す(fu, fa の「う/あ」が大きい)→ 子音だけ先に作ってから母音を最小で足す。
 - 歯を強く噛む/下唇を巻き込みすぎる → 音が止まる、痛める。
 
セルフチェック
- 指で下唇に触れ「ffff」。歯が触れて振動しているのを感じる。
 - ティッシュを3cm前:一直線の細い風で揺れる。
 - 無→有の切替練習:
ffff-vvvv-ffff(同じ口形で声帯オン/オフ)。 
3ステップ練習
- 保持:
f—(0.5–1秒 ×3) - 子音先行:
fa fe fi fo fu(母音は小さく後付け) - 語頭・語中・語末:fan, coffee, leaf(語末は母音を足さず停止)
 
ミニマルペア
- f–v:fine–vine, safe–save, leaf–leave
 - f–h(感覚差の練習):fat–hat, fit–hit, feel–heel, few–hue, fog–hog, fair–hair
 
スペリング注意
- ph → /f/:phone, photo
 - gh → /f/:enough, laugh
 - 語末 -ff/-gh でも /f/(cliff, laugh)
 
H(/h/)の出し方 ―「のど(声門)で息を通す“ささやき”」
要点(ワンフレーズ)
口の中で何にも触れず、声帯を開いて息だけを通す。口形と舌位は後続の母音そのもの。
ポジション(静止形)
- 声帯:開く(息は通すが振動させない)。
 - 舌・唇:次の母音の形に先取り(例:he は「イ」の形、hot は「ア」の形)。
 - 息:温かい空気をふわっと出す(ハァ)。摩擦は喉側(声門)。
 
日本語との違い・よくある誤り
- 日本語の「ひ」≒ [ç](舌前面の摩擦)、「ふ」≒ [ɸ](両唇摩擦)。
→ 英語 /h/ は**喉(声門)**で作る。口の中ではこすらない。 - 母音を足す(「あ」が混ざる)/Hを落とす(he→e)。
※英語でも弱形で H が落ちることはあるが、強勢時は必ず出す。 
セルフチェック
- 手のひらを口前:温かい息を感じるか(/s/ や /ʃ/ は冷たく細い)。
 - ささやき声で 
ha he hi ho hu→ 声を乗せず息だけで言えるか。 - 録音で無声か確認(波形が小さくノイズ状)。
 
3ステップ練習
- ささやき→声:
ha he hi ho hu(始めは完全ウィスパー→少しだけ声を混ぜる) - 連結:ahead, behind, perhaps(hの前後で母音形を先取り)
 - 語頭 vs 弱形:He hates it.(強い /h/)↔ Tell him.(弱くても消さない練習)
 
ミニマルペア(Hの有無・対立感を掴む)
- ate–hate, it–hit, ear–hear, all–hall, eel–heel, arm–harm
 
サイレントH(発音しない h)
- hour, honest, honor, heir などは h を発音しない(our, onest のように始める)。
 - who, whole は /h/ を出す(who /huː/, whole /hoʊl/)。
 
F と H の“設計図”早見表
| 項目 | F (/f/) | H (/h/) | 
|---|---|---|
| 生成場所 | 歯唇(上歯×下唇) | 声門(のど) | 
| 接触 | 上歯が下唇に軽く接触 | 口内は非接触 | 
| 気流 | 細い高速の摩擦(冷たく直進) | 広く柔らかい息(温かく拡散) | 
| 声帯 | 無声(/v/は有声) | 無声 | 
| 典型エラー | 両唇 [ɸ] で出す/母音を足す | 口内でこする/Hを落とす | 
仕上げドリル(30秒ルーティン)
- Fの保持:
f—→fa fe fi fo fu - Hのウィスパー:手のひらに温かい息を当てながら 
ha he hi ho hu - ミニマルペア6連:
fat–hat / fit–hit / feel–heel / few–hue / fog–hog / fair–hair 
⑤ Th(/θ/)と S
- think(考える) vs sink(沈む)
 - thin(痩せた) vs sin(罪)
 
🔑 ポイント:
日本語に「舌を歯の間に出す」発音がないため、代わりに /s/ に置き換えてしまうことが多い。
/θ/(無声 th)と /s/(無声 s)の発音を完全攻略
- Th(/θ/) と **S(/s/)**を、“位置と動き”で完全に描写します。
 - 日本語の「ス」「サ行」との違い、セルフチェック、練習手順、ミニマルペアまで一気に掴めるようにしました。
 
/θ/ の出し方 —「前歯の“間”でやさしくこする風」
要点(ワンフレーズ)
舌先を上下の前歯の“間”に1–2mmだけ出し、軽く触れさせたまま、息だけを連続摩擦で通す(無声)。
ポジション(静止形)
- 舌先:上下の前歯の間。強く噛まない/押しつけない。
 - 舌の側面:上の奥歯にそっと沿わせて固定(ぶれ防止)。
 - 唇:自然(丸めない)。
 - 顎:上下歯のすき間は狭く。
 - 息:ふわっと拡散する風を持続(ビュッと噴射しない)。
 - 声帯:振動させない(無声)。※/ð/はここが有声。
 
日本語との違い・典型エラー
- 舌を出さず /s/ や /t/ に置換(think → sink/tink)。
 - 強く噛む→ 痛い・息が止まる・/t/っぽくなる。
 - 上下歯のどちらかにべったり当てる→ 風が出ず音が死ぬ。
 
セルフチェック
- 鏡:舌先が1–2mm見える。
 - 手のひら:温かく柔らかい風(/s/の“冷たい細いジェット”とは違う)。
 - 録音:/s/より静かで低めの摩擦(シャーよりサーに近い)。
 
3ステップ練習
- 単音保持:
θ— θ— θ—(0.5–1秒×3) - 子音+母音:
θa θe θi θo θu(舌は常に歯間) - 単語:think, thin, teeth, method, both(語末 /θ/ は止めず摩擦で終える)
 
/s/ の出し方 —「歯茎手前、舌中央の“細い溝”でスーッ」
要点(ワンフレーズ)
舌先は上歯茎の直前まで近づけるが触れない。舌中央に細い溝を作り、上下歯の細いすき間から高めの連続摩擦を出す(無声)。
ポジション(静止形)
- 舌先:上の歯茎の手前(非接触)。
 - 舌の形:中央に細い溝(グルーヴ)。両側は上奥歯に軽く沿う。
 - 歯:上下の歯のすき間を細く。
 - 唇:丸めない(やや横に引く)。
 - 息:細く速いジェットでスーッと鋭い音。
 - 声帯:振動なし(無声)。※/z/は有声。
 
日本語との違い・典型エラー
- 日本語の「ス」は母音 /ɯ/ が同時に出がち→ 子音先行で母音は後から最小に。
 - 舌先を触れさせる→ 一瞬止まって**/t/**っぽくなる。
 - 唇を丸めて**/ʃ/**(SH)寄りになる。
 
セルフチェック
- ティッシュ3cm:「ssss」でまっすぐ細い風が強く当たって揺れる。
 - 録音:/θ/より明るく高い“スーッ”。
 - 鏡:歯のすき間が細く見える。
 
3ステップ練習
- 単音保持:
s— s— s— - 子音+母音:
sa se si so su(子音先行) - 単語:see, city, whistle, miss(語末 /s/ は母音なしで閉じる)
 
/θ/ と /s/ の“体感”で分かる違い(早見表)
| 項目 | /θ/ | /s/ | 
|---|---|---|
| 生成場所 | 歯の間(歯間・歯の縁) | 歯茎の手前(非接触) | 
| 舌先 | 前歯に軽接触/1–2mm見える | 触れないで極小ギャップ | 
| 舌形 | 広めの狭め(溝は浅め) | 細い溝(鋭いジェット) | 
| 気流 | 拡散・柔らかい風 | 直進・細く速い風 | 
| 音色 | 静か・低めの摩擦 | 明るく高い摩擦(シューッ) | 
| 典型エラー | 噛む/s,tに置換 | 母音を足す/接触してt化 | 
紙片テスト:
- /θ/ … 紙が“ふわ”っと広く揺れる。
 - /s/ … 紙が“ピシッ”と狭い一点で強く当たる。
 
ミニマルペア(/θ/ vs /s/)— 10組
- think /θɪŋk/ — sink /sɪŋk/
 - thin /θɪn/ — sin /sɪn/
 - thigh /θaɪ/ — sigh /saɪ/
 - thought /θɔːt/ — sought /sɔːt/
 - theme /θiːm/ — seam /siːm/
 - thick /θɪk/ — sick /sɪk/
 - thing /θɪŋ/ — sing /sɪŋ/
 - moth /mɒθ, mɔːθ/ — moss /mɒs, mɔːs/
 - mouth /maʊθ/ — mouse /maʊs/
 - path /pæθ/ — pass /pæs/
 
仕上げドリル(毎日30秒)
- 固定フォーム練習
- /θ/:鏡で舌先1–2mm、
θ— θ—→θa θe θi θo θu - /s/:歯のすき間を極小、
s— s—→sa se si so su 
 - /θ/:鏡で舌先1–2mm、
 - ミニマルペア高速3周
think–sink / thin–sin / thigh–sigh / theme–seam / path–pass - フレーズ練習(子音切替)
- I think I saw it. /aɪ ˈθɪŋk aɪ sɔː ɪt/
 - Thanks for the seats. /θæŋks fər ðə siːts/(/θ/→/s/を即切替)
 
 
⑥ Th(/ð/)と Z/D
- those(それら) vs doze(うたた寝する)
 - this(これ) vs dis(省略形:this の訛り)
 
🔑 ポイント:
有声音 /ð/ はさらに難しく、多くの日本人が /z/ や /d/ で代用してしまう。
/ð/(有声「th」)・/z/・/d/ を“動き”で理解する
Th(/ð/) と Z(/z/)/D(/d/) を、舌・歯・唇・息の“位置と動き”で徹底比較します。日本語話者が起こしやすいミス、セルフチェック、3ステップ練習、ミニマルペア(最小対)も入れて分かりやすく解説しました
1) /ð/(有声 th)—「歯の間で“やさしく”震える」
要点(ワンフレーズ)
舌先を前歯の“間”に軽く出し、上下の歯で軽く挟む位置に置いて、声を出しながらスーッと息を流す(止めない)。
ポジション
- 舌先:上・下の前歯の間に軽く触れる(強く噛まない/押し付けない)。
※見た目は1〜2mm出るくらいでOK。慣れたら上歯の“縁”に軽く触れるだけでも可。 - 舌の側面:上奥歯にそっと沿わせて固定(ぶれ防止)。
 - 唇:自然(丸めない)。
 - 声帯:振動させる(有声音)。
 - 気流:連続摩擦。ストップ(破裂)にならない。
 
日本語との違い/失敗例
- 舌先を出さず**/z/** や /d/ に置き換える(this→zis/dis)。
 - 舌を強く噛み、息が止まる/痛い。
 - 息だけで声がない → /θ/(無声 th)になってしまう。
 
セルフチェック
- 指先テスト:舌先を軽く歯に当て「ððð…」。指で喉に触れてブーッと震えがあるか。
 - 鏡:舌先がわずかに見えるか。
 - ティッシュ:口前3cmで「ððð…」。柔らかい風でゆっくり揺れる(勢いでビュッと飛ばさない)。
 
3ステップ練習
- 単音保持:
ð— ð— ð—(0.5秒×3) - 機能語:
this, that, these, those, though, then, the- the は子音前 /ðə/、母音前 /ði/(the apple /ði ˈæpəl/)
 
 - 語中・語末:
mother /ˈmʌðər/,breathe /brið/(止めずに摩擦で終える) 
つまずく人向けコツ
- “ささやき→有声”:まず /θ/(無声)で「θθθ…」→同じ口形のまま声を乗せて /ð/ に。
 - 噛まない:上下歯は“そっと触れる”程度。圧を抜くと途端に出しやすくなります。
 
2) /z/ —「歯茎の手前で細い溝、蜂のブーン」
要点(ワンフレーズ)
舌先は歯茎の直前に近づけるだけで触れない。舌中央に細い溝を作り、歯のすき間から声付きの摩擦音を出す。
ポジション
- 舌先:上歯茎の直前に非接触で近づける。
 - 舌の形:中央に細い溝、両側は上奥歯へ軽く沿う。
 - 歯:上下の歯のすき間を細く。
 - 唇:丸めない。
 - 声帯:振動(有声)。
 - 音色:/s/ より太く低めの「ズ」〜「ヅ」寄りのブーン。
 
日本語との違い/失敗例
- 語末に母音を足す(bus → バスu、was → ワズu)。
 - 舌先を触れさせてしまい /d/ のように破裂気味になる。
 
セルフチェック
- 喉に指を当てて「zzz」→連続で振動している。
 - ティッシュは細い風でシャッと揺れる(/h/の温風とは違う)。
 
3ステップ練習
z— → za ze zi zo zu → zoo, easy, busy, cause(語末は母音ゼロで止める)
3) /d/ —「歯茎でタッチ→密閉→弾く」
要点(ワンフレーズ)
舌先を歯茎にタッチして完全に気流を止め、声を伴って素早く弾く(破裂音)。
ポジション
- 舌先:上の歯茎に接触(日本語ラ行は一瞬タッチだが、/d/ はしっかり密閉)。
 - 息:一旦完全停止→解放で“ダ”。
 - 声帯:有声(語末では無声化することあり)。
 - 語末:しばしば無破裂(音を弾かず接触のまま終わる)でもOK。
 
日本語との違い/失敗例
- 日本語ラ行のはじき音 [ɾ]で代用 → /d/ が弱く軽い音に。
 - /ð/ と混同して舌を出す → 別音になる。
 
3ステップ練習
d—(短く)→ da de di do du → do, idea, lady, road(語末は無破裂も練習)
/ð/ と /z/・/d/ の“決定的ちがい”早見表
| 項目 | /ð/ (有声th) | /z/ | /d/ | 
|---|---|---|---|
| 生成場所 | 歯の間(前歯) | 歯茎の直前(非接触) | 歯茎に接触(完全閉鎖) | 
| 気流 | 連続摩擦(止めない) | 連続摩擦(細い溝) | 破裂(一度止めて弾く) | 
| 舌先 | 歯に軽く触れる | 触れない | 触れる(密閉) | 
| 声帯 | 有声 | 有声 | 有声(語末で無声化可) | 
| 典型誤り | /z/・/d/に置換 | 母音を足す / 破裂化 | ラ行[ɾ]化/舌を出す | 
ミニマルペア(聞き分け&言い分け)
/ð/ vs /z/
- then /ðɛn/ — zen /zɛn/
 - breathe /brið/ — breeze /briz/
 - teethe /tiːð/ — tease /tiːz/
 - clothe /kloʊð/ — close /kloʊz/
 
/ð/ vs /d/
- they /ðeɪ/ — day /deɪ/
 - then /ðɛn/ — den /dɛn/
 - there /ðɛr/ — dare /dɛr/
 - those /ðoʊz/ — doze /doʊz/
 - breathe /brið/ — breed /brid/(語末対立)
 
スペリング小ワザ
- th = /ð/ は機能語(the, this, that, those, though, then, them, there など)に多い。
 - 名詞・形容詞の th は多くが /θ/(無声):think, thin, month, author。
 - 動詞化で有声化:bath /bæθ/ → bathe /beɪð/、breath /brɛθ/ → breathe /brið/。
 
仕上げドリル(毎日30秒)
- ささやき→有声(/θ/→/ð/):
θθθ… → ððð…(口形は固定、声だけON) - 最小対×6(テンポよく3周):
they–day / then–den / those–doze / breathe–breeze / teethe–tease / clothe–close - フレーズで:
- This is them. /ðɪs ɪz ðɛm/(ð と z の交互)
 - They do those. /ðeɪ duː ðoʊz/(ð–d–ð を明確に)
 - Breathe easily. /brið ˈiːzɪli/(ð→z の切替)
 
 
⑦ Short /ɪ/ と Long /iː/
- ship(船) vs sheep(羊)
 - bit(一口) vs beat(打つ)
 
🔑 ポイント:
日本語には母音の長短はあるが、音質の違いは少ない。英語では 舌の位置+長さ が意味を変える。
Short /ɪ/(例:bit)と Long /iː/(例:beat)を、“舌・あご・くちびる・息・長さ”の5観点で位置と動きまで具体化し、聞き分け・言い分けのコツ、スペルの目安、ミニマルペア(原文/意味/IPA/ネイティブカタカナ)を見やすく整理しています。
まず結論(ワンフレーズ)
- /ɪ/ … 短く・ゆるく(短母音)。
 - 舌は高めだけど少し低く中央寄り
 - あごはわずかに開く、くちびるは自然。
 
- /iː/ … 長く・締まって(長母音)。
 - 舌は前・高・ピンと張る
 - あごはほぼ閉じ
 - くちびるはやや横に引く(スマイル気味)。
 
/ɪ/(短い“イ”)の作り方
ポジション
- 舌位:前寄りだが /iː/ よりわずかに低く、中央寄り。舌の力はゆるめ。
 - あご:ほんの少し開く(前歯の隙間がうっすら見える程度)。
 - くちびる:自然(横にあまり引かない、丸めない)。
 - 息:弱すぎず強すぎず、短く切り気味。
 - 長さ:短い(英語では長さだけでなく音質も違う)。
 
感覚メモ:
- 「日本語の“イ”をちょっと短く曖昧に、力を抜いて」
 
よくある誤り:
- すべてを長い“イー”にして bit→beat と聞こえてしまう。
 
/iː/(長い“イー”)の作り方
ポジション
- 舌位:前・高でピンと張る(緊張度↑)。
 - あご:ほぼ閉じる(/ɪ/より明らかに狭い)。
 - くちびる:軽く横に引く(スマイル)。
 - 息:まっすぐ・安定して流す。
 - 長さ:長い(方言によってはごく弱い /j/ の尾(“イィ”)感が出ることも)。
 
感覚メモ:
- 「写真を撮るときのスマイルで長めに“イー”」
 
よくある誤り:
- 口が緩み /ɪ/ に短縮、beat→bit に聞こえる。
 
体感で分けるチェック(30秒)
- スマイルテスト:鏡で
- /iː/ … 口角が上がる(横に広い)
 - /ɪ/ … ほぼ自然(横に引かれない)
 
 - あごの隙間:
- /iː/ … ほぼ閉じ
 - /ɪ/ … 気持ち開く
 
 - 長さ:メトロノームで
- /iː/=2カウント、/ɪ/=1カウントで読んでみる(音質差も意識)
 
 
リスニングのコツ
- /iː/ は明るく鋭い“イー”
 - ときにごく弱い“y”っぽい尾が感じられる(see ≈ “スィー(ィ)”)。
 
- /ɪ/ は短く中庸で、子音にすぐ吸い込まれる感じ(sit の s と t が近い)。
 
スペルの目安(完全な規則ではありません)
- /iː/:ee (see, feel), ea (eat, team), ie (field), e(語末・開音節 he, me), -ese (these /ðiːz/) など
 - /ɪ/:i (sit, milk), y (gym, myth), e(閉音節で弱化 pretty /ˈprɪti/), u (busy /ˈbɪzi/) など
 
ミニマルペア(原文/意味/IPA/ネイティブカタカナ)
表の左が /iː/、右が /ɪ/。音質+長さの両方を感じ取ってください。
| 原文(/iː/ vs /ɪ/) | 意味 | 発音記号 | ネイティブカタカナ表記 | 
|---|---|---|---|
| beat vs bit | 叩く/拍子 vs 小片 | /biːt/ vs /bɪt/ | ビート vs ビット | 
| seat vs sit | 席 vs 座る | /siːt/ vs /sɪt/ | スィート vs スィット | 
| leave vs live | 去る・残す vs 住む | /liːv/ vs /lɪv/ | リーヴ vs リヴ | 
| leak vs lick | 漏れる vs 舐める | /liːk/ vs /lɪk/ | リーク vs リック | 
| feel vs fill | 感じる vs 満たす | /fiːl/ vs /fɪl/ | フィール vs フィル | 
| peel vs pill | 皮をむく vs 錠剤 | /piːl/ vs /pɪl/ | ピール vs ピル | 
| sheep vs ship | 羊 vs 船 | /ʃiːp/ vs /ʃɪp/ | シープ vs シップ | 
| heel vs hill | かかと vs 丘 | /hiːl/ vs /hɪl/ | ヒール vs ヒル | 
| reach vs rich | 到達する vs 裕福な | /riːtʃ/ vs /rɪtʃ/ | リーチ vs リッチ | 
| these vs this | これら vs これ | /ðiːz/ vs /ðɪs/ | ズィーズ vs ディス | 
| bean vs bin | 豆 vs くず入れ | /biːn/ vs /bɪn/ | ビーン vs ビン | 
| peace vs pis(※使わない) | — | — | — | 
※学習用に有名ですが、俗語・不適切語に当たるペアは割愛しました。
使えるフレーズで即実戦
- He will leave in three weeks.
/hiː wɪl liːv ɪn θriː wiːks/
→ /iː/:He, leave, three, weeks / /ɪ/:will, in
カタカナ:ヒー ウィル リーヴ イン スリー ウィークス - Sit in the big seat.
/sɪt ɪn ðə bɪɡ siːt/
→ 前半 /ɪ/、語末で /iː/ を長く明確に 
仕上げドリル(毎日60秒)
- フォームだけ母音:鏡を見て
- /iː/ ×5(スマイル+長さ2拍)→ /ɪ/ ×5(力を抜いて1拍)
 
 - 最小対シャドー(各3周)
- beat–bit, seat–sit, feel–fill, sheep–ship, heel–hill
 
 - 文で切替(ゆっくり→会話速)
- He will leave in three weeks.
 - Sit in the big seat.
 
 
⑧ Short /æ/ と Long /ʌ/
- bat(バット/コウモリ) vs but(しかし)
 - cap(帽子) vs cup(コップ)
 
🔑 ポイント:
日本語の「あ」に近いが、/æ/ は口を横に大きく開き、/ʌ/ は口をやや縦に開けリラックスする。
/æ/(cat の “ア(エ寄り)”)と /ʌ/(cup の “ア(中央)”)を、舌・あご・くちびる・息・響きまで“位置と動き”で具体化し、ミニマルペア(原文/意味/IPA/ネイティブカタカナ)を見やすく解説します。
※用語として「Short/Long」と言われることもありますが、英語では長さだけでなく“音質(舌の位置・口形)”の違いが本質です(/æ/ と /ʌ/ は別の母音)。
要点ひとまとめ(まずここだけ)
- /æ/ … 前・低(明るい)。
 - あご大きめに開き、横に広く。
 - 舌は前・低で平たく。
→ 日本語カタカナなら**「エ」と「ア」の間**:例 cat ≈ ケァット 
- /ʌ/ … 中央・中低(暗め)。
 - あごやや開く、くちびる自然。
 - 舌は中央寄りで力は抜く。
→ 日本語カタカナなら**「ア」(脱力)**:例 cup ≈ カァップ 
/æ/(cat の母音)の作り方
フォーム(静止形)
- 舌:前・低に置く(※/a/より前)。舌面は平たく、力は軽く。
 - あご:しっかり開く(/ʌ/ より明確に大きい)。
 - くちびる:横に広く(スマイル気味)。丸めない。
 - 息と響き:口の前方で明るく共鳴。短くはっきり。
 
体感メモ:
- 「エを素早く通ってアに着地」=“エャ”が一拍で合体した感じ(ケァ、ベァ)。
 
よくある誤り
- 口の開きが足りず /ɛ/(エ)っぽくなる
 - 力みすぎて /a/(後ろ寄り)になる
 
/ʌ/(cup の母音)の作り方
フォーム(静止形)
- 舌:中央・中低。前にも後ろにも寄せない。脱力。
 - あご:ほどよく開く(/æ/ より少し狭い)。
 - くちびる:自然(横にも丸めもしない)。
 - 息と響き:口腔中央で“こもらず”ニュートラル。短くコトッと落とす。
 
体感メモ:
- 「無表情の“ア”」— 明るくも暗くもない、力を抜いた“ア”。
 
よくある誤り
- 日本語の「ア」を強く・長く出して /ɑː/(car系)に近づく
 - 横に広げすぎて /æ/ に寄る
 
すぐ分かる対比(鏡チェック)
| 項目 | /æ/ | /ʌ/ | 
|---|---|---|
| あごの開き | 大きい | 中くらい | 
| くちびる | 横に広い(スマイル気味) | 自然(広げない・丸めない) | 
| 舌の位置 | 前・低 | 中央・中低 | 
| 響き | 明るい・前方 | 中立・中央 | 
| 典型カタカナ | ケァ(エ+ア) | カァ(脱力ア) | 
ミニマルペア集(/æ/ vs /ʌ/)
原文・意味・IPA・ネイティブカタカナの順で表示。
カタカナは目安:/æ/ は 「エァ」、/ʌ/ は **「ア(脱力)」**で表記しています。
| 原文(/æ/ vs /ʌ/) | 意味 | 発音記号 | ネイティブカタカナ | 
|---|---|---|---|
| bat vs but | コウモリ/しかし | /bæt/ vs /bʌt/ | ベァト vs バット | 
| cap vs cup | 帽子/コップ | /kæp/ vs /kʌp/ | ケァプ vs カァプ | 
| bad vs bud | 悪い/芽 | /bæd/ vs /bʌd/ | ベァド vs バド | 
| bag vs bug | 袋/虫 | /bæg/ vs /bʌg/ | ベァグ vs バグ | 
| back vs buck | 背中/雄ジカ・ドル | /bæk/ vs /bʌk/ | ベァク vs バク | 
| pan vs pun | フライパン/駄洒落 | /pæn/ vs /pʌn/ | ペァン vs パン | 
| ran vs run | 走った/走る | /ræn/ vs /rʌn/ | レァン vs ラン | 
| tan vs ton | 日焼け/トン(重量) | /tæn/ vs /tʌn/ | テァン vs タン | 
| flash vs flush | 閃光/(トイレの)流す・紅潮 | /flæʃ/ vs /flʌʃ/ | フレァシュ vs フラシュ | 
| track vs truck | 線路・跡/トラック | /træk/ vs /trʌk/ | トレァク vs トラック | 
※方言差あり。米語では 鼻音前の /æ/(man, dance など)が少し持ち上がる(明るい /eə/ っぽく聞こえる)ことがあります(“æ-tensing”)。
練習のコツ(30〜60秒ルーティン)
- フォームだけ母音(鏡)
- /æ/ ×5:横に広く、大きく開けて「エ→ア」を一拍で
 - /ʌ/ ×5:表情を消して「無表情のア」を短く
 
 - ミニマルペア・テンポ練習(各3周)
- cap–cup / back–buck / pan–pun / ran–run
 
 - 文で切り替え(ゆっくり→会話速)
- Pack the cups in the back.
/pæk ðə kʌps ɪn ðə bæk/
→ Pack(æ) / cups(ʌ) / back(æ) を意識して配色のように交互に。 - That bug is in my bag.
/ðæt bʌg ɪz ɪn maɪ bæg/ 
 - Pack the cups in the back.
 
つまずきポイントの直し方
- /æ/ が /ʌ/ に聞こえる
→ あごをもう一段下げ、横にも広げる。エの明るさを一瞬混ぜる(ケァ)。 - /ʌ/ が /æ/ に聞こえる
→ 口角を緩める/横に広げない。舌を中央に戻し、無表情のアで短く。 - 両方とも「同じア」に聞こえる
→ 鏡+録音であごの開きと口角を見える化。
→ /æ/ を2拍、/ʌ/ を1拍で読む練習(音質差+長さ差の体感)。 
⑨ O 音の違い(/ɑː/ と /ɔː/)
- cot(簡易ベッド) vs caught(捕まえた)
 - not(〜でない) vs naught(無)
 
🔑 ポイント:
日本語の「オ」では区別できない。/ɑː/ は口を大きく開け奥で発音、/ɔː/ は唇を丸めて発音。
/ɑː/(open back, unrounded:例 father)と/ɔː/(open-mid back, rounded:例 thought)を、舌・あご・くちびる・息・響きの観点で“位置と動き”まで具体化し、**ミニマルペア(原文/意味/IPA/ネイティブカタカナ)**で分かりやすく解説します。
※米音では /ɑ/(長さ記号なし)で表されることが多く、地域によっては /ɑ/ と /ɔ/ が同じ(cot–caught merger)になる点に注意。
まず要点(ワンフレーズで記憶)
- /ɑː/ … 後・低/非円唇(丸めない)。
 - あごをしっかり下げ、舌は後ろ・低。
 - 響きは暗めで奥。
カタカナ:「アー」(喉奥で深いア) → father ≈ ファーザー 
- /ɔː/ … 後・中低/円唇(軽く丸める)。
 - あごは中くらい、舌は後ろ・やや高め。
 - 響きは丸く太いオー。
カタカナ:「オー」(丸唇) → thought ≈ ソート 
/ɑː/ の作り方(father の母音)
ポジション
- 舌:後・低。舌面を平たく後方へ。
 - あご:大きく下げる(/ɔː/ より明確に開く)。
 - くちびる:丸めない(自然~やや横)。
 - 息・響き:喉奥〜口腔奥の深い共鳴。
 - 長さ:英語では音質が主。英式では /ɑː/ のように長く保たれやすい。
 
体感メモ
「あごを落とし、丸めず“深いアー”」。鏡で口の縦開きがしっかり見える。
よくある誤り
- 唇を丸めて /ɔː/ に寄る
 - 開きを小さくして /ʌ/(カァ)に縮む
 
/ɔː/ の作り方(thought の母音)
ポジション
- 舌:後・中低(/ɑː/ より少し高い)。
 - あご:中くらいに開く。
 - くちびる:軽く丸める(円唇)。
 - 息・響き:丸く太いオーが口の前方に転がる感じ。
 - 長さ:英式では /ɔː/ として長め。米式では /ɔ/ とも表記。
 
体感メモ
「軽く“オ”の口で、コロッと太い“オー”」。丸唇が最大の鍵。
よくある誤り
- 唇を丸めず /ɑː/ に流れる
 - 丸めすぎて /oʊ/(go の “ゴウ”)へずれる
 
/ɑː/ と /ɔː/ の“見える化”早見表
| 項目 | /ɑː/ | /ɔː/ | 
|---|---|---|
| 舌位置 | 後・低(より下) | 後・中低(やや上) | 
| あごの開き | 大きい | 中 | 
| くちびる | 非円唇(丸めない) | 円唇(軽く丸める) | 
| 響き | 深い・暗め(奥) | 丸く太い(前方寄り) | 
| 代表語 | father, palm | thought, law | 
🔔 方言注意:米国の多くの地域で cot–caught が同音(/kɑt/=/kɔt/)。区別を学ぶなら RP(英式)や“非マージ”の米音(NY, Boston, Upper Midwest 等)を参照。
ミニマルペア集(/ɑː/ vs /ɔː/)
原文・意味・IPA・ネイティブカタカナの順。
IPAは 英式(非回転 /r/ が弱い) 基準で示し、( )内に非マージ米音の目安も併記します。
| 原文(/ɑː/ vs /ɔː/) | 意味 | 発音記号 | ネイティブカタカナ | 
|---|---|---|---|
| cot vs caught | 簡易ベッド vs つかまえた | /kɒt/ vs /kɔːt/(Am: /kɑt/ vs /kɔt/) | コット vs コート | 
| bot vs bought | ボット(略) vs 買った | /bɒt/ vs /bɔːt/(/bɑt/ vs /bɔt/) | ボット vs ボート | 
| hock vs hawk | (動物の)飛節 vs 鷹 | /hɒk/ vs /hɔːk/(/hɑk/ vs /hɔk/) | ホック vs ホーク | 
| stock vs stalk | 在庫 vs 茎・忍び歩く | /stɒk/ vs /stɔːk/(/stɑk/ vs /stɔk/) | ストック vs ストーク | 
| wok vs walk | 中華鍋 vs 歩く | /wɒk/ vs /wɔːk/(/wɑk/ vs /wɔk/) | ウォック vs ウォーク | 
| Don vs dawn | (人名)ドン vs 夜明け | /dɒn/ vs /dɔːn/(/dɑn/ vs /dɔn/) | ドン vs ドーン | 
| not vs naught | 〜でない vs 無・ゼロ(やや古風) | /nɒt/ vs /nɔːt/(/nɑt/ vs /nɔt/) | ノット vs ノート | 
| collar vs caller | 襟 vs 呼ぶ人 | /ˈkɒlə/ vs /ˈkɔːlə/(Am: /ˈkɑlər/ vs /ˈkɔlər/) | コラ(ー) vs コーラー | 
| shot vs short | 発砲・一発 vs 短い | /ʃɒt/ vs /ʃɔːt/(/ʃɑt/ vs /ʃɔrt/) | ショット vs ショート | 
| nod vs gnawed | うなずく vs かじった(gnaw 過去) | /nɒd/ vs /nɔːd/(/nɑd/ vs /nɔd/) | ノッド vs ノード | 
※綴りに -al-, -aw-, -augh-, -alk- などがあると /ɔː/ に、o, a(閉音節)などは /ɒ/(英)//ɑ/(米) になりやすい傾向。ただし例外多数。
聞き分け&言い分けのコツ
- 唇:/ɔː/ は軽い丸唇、/ɑː/ は非円唇。鏡で口先の丸みを確認。
 - あご:/ɑː/ の方が深く落ちる。/ɔː/ は中開き。
 - 耳:/ɔː/ は**“オー”が前に飛ぶ**。/ɑː/ は深い“アー”が奥で鳴る。
 
30〜60秒ルーティン(毎日)
- フォームだけ母音(鏡)
- /ɑː/ ×5:大開口+非円唇で「アー」
 - /ɔː/ ×5:中開口+軽い丸唇で「オー」
 
 - ミニマルペア3周
- cot–caught / wok–walk / hock–hawk / stock–stalk
 
 - フレーズ練習(交互に出す)
- I bought a hot wok.
/aɪ bɔːt ə hɒt wɒk/(Am: /bɔt, hɑt, wɑk/) - Don saw the dawn.
/dɒn sɔː ðə dɔːn/(Am: /dɑn sɔ dɔn/) 
 - I bought a hot wok.
 
つまずきの直し方
- /ɑː/ が /ɔː/ に聞こえる → 唇を丸めない・あごをもう一段下げる。
 - /ɔː/ が /ɑː/ に聞こえる → 唇を軽く丸める・あごを少し閉じる。
 - 同じにしか聞こえない(merger地帯) → 丸唇の有無とあご開きを誇張して練習。録音で**波形の持続(/ɔː/が丸く安定)**も確認。
 
⑩ Silent Letter(発音しない文字)
- know(知る) vs no(いいえ)
 - write(書く) vs right(右)
 
🔑 ポイント:
日本語ではスペル通りに読む習慣があるため、「k」や「w」が読まれないと混乱する。
**Silent Letter(発音しない文字)を、“どう口を動かすか(動かさないか)”の観点で体系化し、代表パターン → 口の使い方 → よくあるミスまで具体化します。
まず要点(ワンフレーズ記憶)
Silent Letter=「綴りにはあるが音は作らない」。
口を “余計に動かさない” のが正解。多くは**歴史的綴り・語源(フランス語・ラテン語)・発音の保護(magic e)**が理由。
代表パターン別:発音の仕方(口の動きガイド)
1) kn- / gn- 語頭(k / g が無音)
- 例:knife, knee / gnome, gnash
 - 出し方:最初から /n/ で始める。舌の後ろを上げて /k/ /g/ を作らない。
- ✅ 舌先:上歯茎に軽く近づけて /n/
 - ❌ 口の奥で閉鎖して「ク/グ」を作らない
 
 - ありがちミス:「クナイフ」「グノーム」と余計な破裂が入る
 
2) wr- 語頭(w が無音)
- 例:write, wrist, wrong, wreath
 - 出し方:/r/ だけ。Wの唇の突き出しを作らない。
- ✅ R:舌先はどこにも触れない/軽い丸唇
 - ❌ 最初に /w/ を入れない(「ウライㇳ」×)
 
 
3) wh- で w 無音(一部)
- 例:who, whose, whom, whole(→ /huː/, /hoʊl/)
 - 出し方:/h/ から直接母音へ。Wの唇は作らない。
 
4) -mb 語末(b が無音)
- 例:lamb, thumb, climb, comb, tomb
 - 出し方:/m/ で両唇を閉じたまま終了。
- ✅ b の爆発をしない(無破裂)
 - ❌ 「ラムブ」「サムブ」のはじきを入れない
 
 
5) -stle / -sten / -ften(t が無音)
- 例:castle, whistle, bustle / listen, fasten / often(変異あり)
 - 出し方:/s/→/əl/ に滑らかに移行。舌先で /t/ の完全閉鎖を作らない。
 
6) -lk / -lf / -lm(l が無音)
- 例:walk, talk, folk / half, calf / palm, calm, salmon
 - 出し方:L の舌先タッチをしない。母音→後続子音へ直行。
- ❌ 「ウォルク」「トールク」とLを立てない
 
 
7) -gh-(無音 or /f/)
- 例(無音):night, high, though, through
 - 例(/f/):laugh, cough, enough
 - 出し方:綴りの gh は口内で何も作らない(無音系)、/f/ の語は上歯×下唇で摩擦。
 
8) h 無音(語頭の一部・語中)
- 例:honest, honor, hour, heir, exhaust
 - 出し方:母音から開始。喉で /h/ を作らない。
 
9) w 無音(語中・語頭の一部)
- 例:sword /sɔːrd/, two /tuː/, answer /ˈænsər/, whole /hoʊl/
 - 出し方:W の唇の突き出しを作らない。
 
10) p 無音(語頭)
- 例:psychology, pneumonia, pterodactyl, pseudo
 - 出し方:**最初の子音(/s/ /n/ /t/)**から直行。唇を閉じて /p/ を作らない。
 
11) c 無音(語中の一部)
- 例:muscle /ˈmʌsəl/, indict /ɪnˈdaɪt/
 - 出し方:/k/ を作らない。mʌs-əl, ɪn-ˈdaɪt を意識。
 
12) Silent e(語末の “magic e”)
- 例:rate /reɪt/ vs rat /ræt/, hope /hoʊp/ vs hop /hɒp/
 - 出し方:/e/ は読まない。直前の母音を「長く・名前読み」に変えるためのスイッチ。
 
13) u 無音(g の硬さ保持)
- 例:guess, guest, guide, guitar
 - 出し方:/g/ を硬く(/g/)、/u/ は読まない。
 
14) r 無音(非回転方言:英式など)
- 例:car /kɑː/, more /mɔː/(語末/子音前で R を読まない)
 - 出し方:R の舌動作を作らず、母音を少し長く。
※米式・カナダ英語は多くがR を発音します。 
見やすい対比:口の“しない動き”早見表
| パターン | しない動き | 代わりにする動き | 
|---|---|---|
| kn-/gn- | 口奥の破裂(/k/ /g/) | すぐ**/n/** に入る | 
| wr- / w-無音 | /w/ の唇丸め | /r/ のフォームだけ | 
| -mb | /b/ の解放 | /m/ のまま終了 | 
| -stle/-sten | /t/ の閉鎖 | /s/→弱母音 /əl/ へ滑らかに | 
| -lk/-lf/-lm | /l/ の舌先タッチ | Lなしで次の子音へ | 
| -gh-(無音) | 摩擦や破裂を作る | 何もしない(母音だけ) | 
| h 無音 | /h/ の喉摩擦 | 母音から開始 | 
| p 無音 | 唇閉鎖の /p/ | 直後の**/s/ /n/ /t/** へ | 
| Silent e | 読み上げる | 直前の母音を長化/二重化 | 
| r 無音(英式) | /r/ の舌動作 | 母音を長く滑らかに | 
ミニマルペア(Silent Letter を含む実用ペア)
原文|意味|IPA|ネイティブカタカナ
※地域差が出るものは米式(AmE)を基本に表記(必要に応じ英式も)。
- write|書く|/raɪt/|ライㇳ
right|右|/raɪt/|ライㇳ - know|知る|/noʊ/|ノウ
no|いいえ|/noʊ/|ノウ - knight|騎士|/naɪt/|ナイト
night|夜|/naɪt/|ナイト - whole|全体の|/hoʊl/|ホウル
hole|穴|/hoʊl/|ホウル - hour|1時間|/ˈaʊər/|アウァ(アワ)
our|私たちの|/ˈaʊər/|アウァ(アワ) ※多くの方言で同音 - high|高い|/haɪ/|ハイ
hi|やあ|/haɪ/|ハイ - through|通り抜けて|/θruː/|スルー
threw|throwの過去|/θruː/|スルー - would|〜だろう|/wʊd/|ウッド
wood|木材|/wʊd/|ウッド(l 無音 in would) - sign|標識/署名する|/saɪn/|サイン
sine|正弦(数学)|/saɪn/|サイン(g 無音) - lamb|子羊|/læm/|ラム
lam|逃走(古語/俗)|/læm/|ラム(b 無音) - sword|剣|/sɔːrd/|ソード
soared|舞い上がった|/sɔːrd/|ソード - two|2|/tuː/|トゥー
too|〜も/あまりに|/tuː/|トゥー(w 無音 in two) - queue|行列|/kjuː/|キュー
cue|合図|/kjuː/|キュー(ueue 無音) - corps|軍団・団体|/kɔːr/(AmE)|コー
core|中心|/kɔːr/|コー(ps 無音) - indict|起訴する|/ɪnˈdaɪt/|インダイト
indite|(文を)認める(古)|/ɪnˈdaɪt/|インダイト(c 無音) 
参考:receipt /rɪˈsiːt/ は reseat /ˌriːˈsiːt/ とほぼ同音ですが、語頭母音の長さ・強勢配置が違うため本表からは外しました。
仕上げの練習(毎日30秒)
- 口の“しない動き”確認(鏡)
- lamb:/m/ で止める(b を弾かない)
 - castle:/s/→/əl/ へ(/t/ を作らない)
 - write:/w/ の口を作らずに**/r/** へ
 
 - ミニマルペア3周(区別→同音)
- write–right, know–no, whole–hole, queue–cue
 
 - 短文で定着
- He wrote it last night.(wrote は /w/、write は w 無音 と対比)
 - Walk through the castle.(walk l 無音、through gh 無音、castle t 無音)
 
 
よくあるつまずき → 速攻で直すコツ
- 綴りに引っ張られて余計な子音を入れてしまう
→ 「今、どの音を“作らない”か」を口のチェックリストに。録音で確認。 - -mb の b が出る
→ 両唇を閉じたまま息を止めて終了(無破裂)。 - wr-/kn- で余計な破裂
→ 最初の破裂をゼロにし、/r/ /n/ から開始。 
🎯 まとめ
ミニマルペアは、
- 発音の違いを体感する
 - リスニング力を高める
 - 誤解を防ぐ
 
ための最強トレーニング教材です。
特に日本人が苦手な音は、存在しない音や似ているけど微妙に違う母音。
毎日少しずつでも練習すれば「通じる英語」への大きな一歩になります!
ミニマルペア練習用例文集
実際に練習できる 例文集(クイズ形式&会話形式) をまとめます。発音練習・聞き分け・会話の応用ができるように工夫しました。
① R と L
- right(右) vs light(光)
 
✅ 例文1(クイズ)
- I turned to the ______.
(ライト?ライト?どっち?) 
👉 正解:right(右に曲がった)
✅ 例文2(会話)
A: Can you turn on the light?(電気をつけてくれる?)
※丁寧→自然→速いの順で載せています。最後に発音の注意も!
カタカナ表記(バリエーション)
- ゆっくり丁寧:
キャン ユー|ターン オン|ザ ライト? - 自然スピード(弱形・リンキングあり):
ケンヤ|ターナン|ザ ライト?
(= Can you → ケンヤ、turn on → ターナン) - かなり速いカジュアル:
キンヤ|ターナンザ|ライト? 
参考IPA(米音): /kən jə tɚn ɑn ðə laɪt/
発音の注意ポイント
- Can you:
- 文中の can は弱くなることが多く ケン/キン と短く。
 - you とつながって ケンヤ/キンヤ と聞こえやすい。
 - “できる?”の丁寧依頼なので語尾は上がり気味(↗︎)。
 
 - turn(ターン):
- 米音の r は舌を巻きすぎず、舌先は歯茎に触れないで口の中でどっしり。ターを長めに「タァ」寄り(tɚːn)。
 
 - on(オン):
- ɑ を大きめに開けて「ア」に近いオン。turn と連結して ターナン と一塊に。
 
 - the(ザ):
- ここは ðə(弱形)でOK。舌先を前歯の間に軽く出して息をこする(ズァ/ザ)。
 - 速いと ザ がさらに弱くなり ザ/ザッ と曖昧に。
 
 - light(ライト):
- l は舌先を上前歯の裏の歯茎にタッチしてから母音へ。
 - 語末 t は息だけで止める([t̚])か、とても小さくはじく程度。強く「ト」と言い切らないほうが自然。
 
 
例:言い方の違い(強勢と丁寧さ)
- 依頼の自然形(強勢は turn ON と LIGHT に)
ケンヤ ターナン ザ ライト↗︎? - もっと丁寧:
クドゥ ユー ターナン ザ ライト↗︎?(Could you…?) - 「今つけて!」(命令/強め):
ターナン ザ ライト!(語尾は下げる↘︎) 
よくある混同(can / can’t)
- can は弱く短く ケン/キン
 - can’t は キャン と母音をはっきり長め+最後の t 気味(キャント)。
依頼文では通常 can を使うので、短く弱くが自然です。 
B: Oh, I thought you said “right”!(あ、右って言ったのかと思ったよ!)
Oh, I thought you said “right.”
(ネイティブ寄りカタカナ/バリエーション)
- ゆっくり丁寧
オウ,アイ ソート ユー セッド ライト。 - 自然スピード(弱形・リンキングあり)
オウ,アイ ソーチュ セッ ライト。
(thought you → ソーチュ/you の弱形 ユ;said の語末 d が弱くセッに) - 速いカジュアル(さらに省エネ発音)
オ,アイ ソーチャ セッ ライッ(ト)。
(/t + j/ が チャ、right の語末 t は息止め[t̚]で「ライッ」) 
参考IPA(米音): /oʊ, aɪ ˈθɔt jə sɛd raɪt/
変化例: thought you → /θɔt tʃə/(チュ化)/you → /jə/(弱形)
発音の注意(要点)
- Oh /oʊ/:口をすぼめてオウと二重母音。短く相づちっぽく。
 - I /aɪ/:ア→イへすべる二重母音。アイを平板にしない(↗︎軽く上げてもOK)。
 - thought /θɔt/:
- θは舌先を前歯の間に軽く出す(摩擦音)。サ行代用はNG。
 - ɔは口を縦+少し丸く「オ」に近いオー。
 - 文中の t は次が you で t+j → チュ(ソーチュ)になりやすい。
 
 - you /ju ~ jə/:自然会話では弱形 jə(ユ/ヤ) に。強く言いすぎない。
 - said /sɛd/:日本語の「セッド」よりエをはっきり(セ)。語末 d は弱く、次が子音なら脱落気味(セッ)。
 - right /raɪt/:
- r は舌先つけない(奥で軽く反らす/バunchedでもOK)。
 - aɪ はア→イの滑りをしっかり(ライ)。
 - 語末 t は息止めでOK(ライッ)。言い切りで下げ調子↘︎。
 
 
イントネーション(ニュアンスの出し分け)
- 事実の伝達(「…って聞こえたよ」):↘︎
オウ,アイ ソーチュ セッ ライッ。↘︎ - 確認・聞き返し(「“right”って言ったの?」):↗︎
オウ,アイ ソーチュ セッ ライッ?↗︎ 
よくあるつまずき&コツ
- θ→サ/スにしない:ソート(×)→ ソート(θ)(○)。
 - t+j の合体を怖がらない:ソート ユー(不自然)→ ソーチュ(自然)。
 - said の dを強く「ド」と言い切らない:セッ〜**セッド(弱)**で十分。
 - right の r をラ行にしない:舌先を当てず、口の奥でるっと響かせるイメージ。
 
② B と V
- best(最高) vs vest(ベスト)
 
✅ 例文1(クイズ)
- This is my ______ friend.
(ベスト?ベスト?どっち?) 
👉 正解:best(親友)
✅ 例文2(会話)
A: I like your vest.(そのベスト素敵だね)
カタカナ(ネイティブ寄りバリエーション)
- 自然スピード(弱形・連結あり)
アイ ライキュア** ヴェス(ト)**
(like‿your → ライキュア、語末 t は息止め) - 速いカジュアル
ア ライキュァ** ヴェス(ト)**
(I の弱化/your が ヨァ/ュァ に寄る) - ていねい・はっきり
アイ ライク ユア ヴェスト。 
参考IPA(米音): /aɪ laɪk jɚ vɛst/
(your は弱形で /jɚ/、「ユア」より「ヨァ/ヤ」に近い)
発音の注意ポイント
1) I /aɪ/
- ア→イと滑らせる二重母音。平板な「アイ」一拍にならないように。
 
2) like /laɪk/
- l は舌先を上前歯の裏の歯茎に軽くタッチしてから二重母音へ。
 - 語末 k は強く「ク」と言い切らず、息だけで止め気味に([k̚])。
 - 次の your と連結して ライ+キュ(/k + j/ が軽くキュ化)に聞こえやすい → ライキュア。
 
3) your(弱形) /jɚ, jə/
- 普段の会話では **強く「ユア」**と言わず、ヨァ/ヤっぽく短く。
 - r は舌先をつけない(奥で軽く反らす)。日本語の「ラ行」にしない。
 
4) vest /vɛst/
- v は下唇+上前歯でこする摩擦音。上下の唇で「ブ」はNG。
 - ɛ は日本語の「エ」より少し大きめに口を横に開くイメージ(ベエ)。
 - st は母音を足さない。「ヴェスト」を一拍で締め、t は弱く([t̚])か極小。
 - 似た語との区別:
- vest(ヴェスト:チョッキ) vs best(ベスト:最上)→ v/b の対立に注意。
 - west(ウェスト:西)とも混同注意。v は唇と歯、w は丸唇で「ウ」に近い。
 
 
よくあるつまずき&コツ
- V/B問題:鏡の前で下唇に上前歯を軽く当てて vvvv。声帯を震わせる(有声音)。
 - 語尾の母音足し:**ヴェス(ト)**の後に「トゥ」を付けない。息止めで終える練習を。
 - R/L問題:like の l は舌先タッチ、your の r は舌先非接触。対照的に。
 
イントネーション(自然な言い方)
- ふつうの称賛は下がり調子 ↘︎:
アイ ライキュア ヴェス(ト)↘︎ - 強調したいときは your or vest を少し強く:
I like your VEST.(他のじゃなくそのベストが好き)
I LIKE your vest.(「好きだよ」を強めるニュアンス) 
ミニ比較(意味の差)
- I like your vest.(そのベスト、いいね)
 - I love your vest.(大好き/強い称賛)
 - I like your VEST, not the jacket.(ジャケットじゃなくベストね)— VEST にフォーカス
 
B: Thanks! You’re my best friend.(ありがとう!君は親友だよ)
カタカナ表記(自然→速い→ていねい)
- 自然スピード(弱形・連結あり)
サン(ク)ス!|ヨァ マイ|ベス フレン(ド) - 速いカジュアル(さらに省エネ)
サン(ク)ス!|ヤ マイ|ベス フレン(ッ) - ていねい・はっきり
サンクス!|ユーアー マイ|ベスト フレンド。 
参考IPA(米音): /θæŋks | jɚ maɪ | bɛst frɛnd/
発音の注意ポイント
- Thanks /θæŋks/
- 最初の θ は舌先を前歯の間に軽く出して息をこする(サ行代用NG)。
 - æ は口を横に広げて「アとエの中間」(サに近い)。
 - ŋks は一拍で「ンクス」→ サン(ク)ス と短く。
 
 - You’re /jɚ/(弱形)
- 会話では you are が縮んで ヨァ/ヤ に近い短音(舌先は歯茎に当てない r)。
 - your(所有格)と音はほぼ同じでも文法が違う点に注意(意味は「君は〜」)。
 
 - my /maɪ/
- ア→イの二重母音(平板な「マイ」一拍にしない)。
 
 - best /bɛst/
- b は両唇破裂(ブと出し過ぎない)。
 - ɛ は日本語「エ」よりやや大きく横に。
 - t は次の friend の f へ続くと弱く・無音化しやすい:ベス(tを言い切らない)。
 
 - friend /frɛnd/
- f は上歯+下唇でスーと摩擦(上下唇で「フ」=×)。
 - r は舌先をつけない(英語r)。
 - 語末 d は息止め気味でも自然(フレン(ド)/フレン)。
 
 
リンキング&弱形(どう繋がる?)
- You’re my → ヨァ マイ/ヤ マイ(軽く一塊)
 - best friend → ベス フレン…(t が弱化して消えやすい)
 
イントネーション(気持ちの出し方)
- フレンドリーに気持ちを込めるなら:
サン(ク)ス!|ヨァ マイ|ベス フレン(ド)↘︎(最後は下げ調子で言い切り) - もっと弾む感じ:
サン(ク)ス!↗︎|ヨァ マイ|ベス フレン(ド)↘︎ 
よくあるつまずき&コツ
- 「サンクス」一本調子→ θ を忘れず、先頭をスで代用しない。
 - “ベスト”を言い切る→ t を強く「ト」にしない(ベスで止めてOK)。
 - your と you’re の混同→ ここは**You’re(君は)**が自然。所有格 your にすると「君の親友だよ(?)」と意味がズレる文脈も。
 
ミニ比較(ニュアンス)
- You’re my BEST friend.(BEST を強く=他の友だちとの対比・特別感)
 - You’re MY best friend.(MY を強く=「私にとって」強調)
 - Thanks, you’re a good friend.(bestほどではない柔らかい称賛)
 
③ S と SH
- see(見る) vs she(彼女)
 
✅ 例文1(クイズ)
- Did you ______ her?
(シー?シー?どっち?) 
👉 正解:see(彼女を見た?)
✅ 例文2(会話)
A: Who is she?(彼女は誰?)
カタカナ表記(ていねい → 自然 → 速い)
- ゆっくり・はっきり
フー イズ シー? - 自然スピード(短縮・連結あり)
フーズ シー? (= Who’s she?) - 速い・会話的(同化あり)
フー イジ シー?
(is she の z+ʃ が ʒ に近づき「イジ シー」に聞こえやすい) 
参考IPA(米音): /huː ɪz ʃiː/ → 連結時 /huːz ʃiː/、同化例 /huː ɪʒ ʃiː/
発音の注意ポイント
- Who /huː/:
- h は息を前に吐くだけの摩擦音。落とさない(×「ウー」)。
 - uː は唇をしっかり丸めて長めに「ウー」。
 
 - is /ɪz/:
- 短く弱く。「イズ」を一拍で。
 - 後ろが she /ʃiː/ の ʃ だと z がʒっぽくジ寄りに(イジ)。
 
 - she /ʃiː/:
- ʃ は「シ」だが、舌先はつけない。舌の前部を上あご近くに近づけ、軽く唇を丸めて息をスー。
 - iː は長めの「イー」。平板に短くしない。
 
 
リンキング&同化(よく起こる変化)
- Who is → Who’s:/huːz/(フーズ)
 - is she:/ɪz ʃiː/ → /ɪʒ ʃiː/(イジ シー に近い)
 
イントネーション(抑揚)
- 情報質問(普通の “だれ?”):基本は下がり調子 ↘︎
フーズ シー↘︎? - 聞き返し・驚き:上がり調子 ↗︎ も可
フーズ シー↗︎?(「え、だれって?」のニュアンス) 
よくあるつまずき&対策
- /ʃ/ を「スィ」にしない → 舌先はつけず、唇を軽く丸める「シ」。
 - h 脱落に注意 → フーのhを出す(息を前に)。
 - whose /huːz/ と who’s /huːz/ は音が同じ:文脈で判断(スペルは違う)。
 
ミニ比較(言い換え)
- Who’s she?(フーズ シー?)= Who is she? の短縮・自然形
 - Who is SHE?(SHE を強く)=「彼女って誰のこと?」と指示語的に強調
 
B: I don’t see her.(見えないよ)
カタカナ表記(自然 → 速い → ていねい)
- 自然スピード(弱形・連結あり)
アイ ドン(ト) スィーァ(r)
(don’t の t は次の s で弱化/her は弱形で ァ(r) に近い) - 速いカジュアル(さらに省エネ)
ア ドン スィア(r)
(I が短く ア、don’t see で t 脱落傾向、see her が一塊に) - ていねい・はっきり(学習用の基準形)
アイ ドウン(ト) スィー ハー。 
参考IPA(米音): /aɪ doʊnt siː hɝ/
連結・弱化例: /aɪ doʊn siː ɚ/(t 弱化・h 脱落・r 化)
発音の注意ポイント
- I /aɪ/:ア→イの二重母音。平板な「アイ」一拍にしない。速いと ア に寄る。
 - don’t /doʊnt/:
- oʊ は「ドゥオウン」気味の二重母音。
 - nt は次が s(see)のとき**[t]が弱くなる/消える**ことが多い(ドン(ト)→ドン)。
 - don’t を**「ダン」**にしない。鼻音 n をはっきり残す。
 
 - see /siː/:
- 長めの イー。スィと軽く前に息。シーよりスィー寄りが自然。
 
 - her /hɝ ~ ɚ/(弱形):
- 会話では h が落ちやすく(h-dropping)、ɚ(アー+r)だけが残ることも → ァ(r)。
 - r は舌先を歯茎に当てないで、奥で軽く反らす(日本語のラ行にしない)。
 
 
リンキング&弱化(どう繋がる?)
- don’t‿see:/doʊn(t) siː/ → t が聞こえにくくなる(ドン スィー)。
 - see‿her:/siː hɝ/ → h が落ちて /siː ɚ/(スィーァ(r))に。
 - 全体で一息:アイドン(ト)スィーァ(r) と3拍くらいで流すと自然。
 
イントネーション(意味の出し分け)
- 事実の否定(ふつう):↘︎
アイ ドン(ト) スィーァ(r)↘︎(「見えてないよ」) - 強調(「本当に見えない」):don’t を強める
I DON’T see her.(ドンを強く・長め) - 聞き返し(驚き):語尾 ↗︎
アイ ドン(ト) スィーァ(r)↗︎? 
よくあるつまずき&コツ
- t を言い切るクセ:don’t の t を強い「ト」にしない。鼻からンで止める→次の s にスッと。
 - her を「ハー」固定:弱形は ァ(r) に縮むのが普通。r 音色は残す。
 - r をラ行化:舌先を当てない(英語 r)。口の奥でるっと響かせるイメージ。
 - see の長さ:siː を短く「スィ」だけにしない。伸びが聞き取りのカギ。
 
ミニ比較(意味・ニュアンス)
- I don’t SEE her.(SEE を強く:視界の話にフォーカス)
 - I DON’T see her.(否定自体を強調:見えてない/会ってないのは事実だ、の含み)
 - I can’t see her.(能力・状況的に見られないニュアンスが強い)
 
④ F と H
- fan(扇風機) vs han(ハン →人名)
 
✅ 例文1(クイズ)
- I bought a new ______.
(ファン?ハン?どっち?) 
👉 正解:fan(扇風機)
✅ 例文2(会話)
A: Hi, I’m Han.(こんにちは、ハンです)
カタカナ表記(ていねい → 自然 → 速い)
- ゆっくり・はっきり
ハイ,アイム ハン。 - 自然スピード(軽いポーズ)
ハイ,アィム ハン。 - 速いカジュアル(省エネ発音)
ハイ,アィム ハン。(全体短め・テンポよく) 
参考IPA(米音): /haɪ | aɪm | hæn/(※「Han」の発音は人名によって /hæn/ または /hɑːn/ の場合あり)
「Han」の発音バリエーション(どちらかご本人の好みで)
- /hæn/(ハン=“エとアの中間”の短母音):
カタカナ目安 ヘァン/ハァン(短く)
口を横に広げて平たく。「エ」に寄りすぎず、アも混ぜるイメージ。 - /hɑːn/(ハーン=後ろ寄りの長めのア):
カタカナ目安 ハーン
口を縦に大きく開く。奥で低く深い「アー」を保つ。 
例:Han Solo は米音で /hɑːn/(ハーン)が多め。アジア系の Han さんは /hæn/(ヘァン/ハァン)のこともあります。
発音の注意ポイント
- Hi /haɪ/:
- h は息を前へ「ハッ」と出す。落とすと「アイ」になって不自然。
 - aɪ は ア→イと滑る二重母音。平板な「ハイ(一拍)」にしない。
 
 - I’m /aɪm/:
- m は唇を閉じて鼻に響かせて終了(ンで止める)。
 - 次の Han へ行く前に一瞬のポーズ(カンマの間)。つなげすぎて アィムハンを1語にしない。
 
 - Han:
- /hæn/ の æ は口を横に広げる(日本語の「エ」と「ア」の中間)。
 - /hɑːn/ の ɑː は長く深いア。舌を引き気味で口を縦に。
 - どちらでも h をはっきり。h 脱落に注意。
 
 
イントネーション(抑揚)
- 自己紹介の言い切りは下がり調子 ↘︎
ハイ,アィム ハン↘︎。 - さらに明瞭に伝えたいときは Han を少し強く:
Hi, I’m HAN.(名前をフォーカス) 
よくあるつまずき & コツ
- “Hi” が平板 → aɪ を二重母音で(ア→イ)。
 - “I’m” の m を言い切る → 唇を閉じて鼻で止める(母音を足さない)。
 - Han の母音が「あ」一色 → /æ/ は横に・/ɑː/ は縦にと口形で差をつける。
 - 英語 r っぽく“ハーン”(/hɑːrn/)にならない → r 色を混ぜない。
 
ミニ応用品(場面別)
- より丁寧に:Hello, I’m Han.(ヘロー,アィム …)
 - 聞き取りにくい場で:Hi, I’m Han—H-A-N.(スペル補助)
 - /hæn/ を選ぶなら:ハイ,アィム ヘァン。
 - /hɑːn/ を選ぶなら:ハイ,アィム ハーン。
 
B: Oh, I thought you said “fan”!(あ、ファンって言ったのかと思った!)
⑤ Th(/θ/)と S
- think(考える) vs sink(沈む)
 
✅ 例文1(クイズ)
- I ______ it’s a good idea.
(シンク?シンク?どっち?) 
👉 正解:think(いい考えだと思う)
✅ 例文2(会話)
A: The ship will sink!(船が沈むぞ!)
B: I think you’re right.(確かにそうだね)
⑥ Th(/ð/)と Z/D
- this(これ) vs dis(これ:訛り)
 
✅ 例文1(クイズ)
- ______ is my book.
(ディス?ジス?どっち?) 
👉 正解:this(これは私の本です)
✅ 例文2(会話)
A: This is great!(これはすごい!)
B: Yeah, dis is awesome!(ああ、これ最高だね!※スラング風)
⑦ Short /ɪ/ と Long /iː/
- ship(船) vs sheep(羊)
 
✅ 例文1(クイズ)
- Look at that ______!
(シップ?シープ?どっち?) 
👉 正解は文脈次第(笑)
🐑 牧場なら sheep
🚢 海なら ship
✅ 例文2(会話)
A: I bought a sheep.(羊を買ったよ)
B: A ship!?(船を買ったの!?)
⑧ Short /æ/ と Long /ʌ/
- cap(帽子) vs cup(コップ)
 
✅ 例文1(クイズ)
- Can you pass me the ______?
(キャップ?カップ?どっち?) 
👉 正解:cup(コップを取って)
✅ 例文2(会話)
A: Nice cap!(その帽子いいね!)
B: Oh, I thought you wanted a cup.(あ、コップ欲しいのかと思った)
⑨ O 音の違い
- cot(簡易ベッド) vs caught(捕まえた)
 
✅ 例文1(クイズ)
- I ______ a big fish.
(コット?コート?どっち?) 
👉 正解:caught(大きな魚を捕まえた)
✅ 例文2(会話)
A: I slept on a cot.(簡易ベッドで寝たよ)
B: Oh, I thought you said “caught”!(捕まえたって言ったのかと思った)
⑩ Silent Letter
- write(書く) vs right(右)
 
✅ 例文1(クイズ)
- Please ______ your name here.
(ライト?ライト?どっち?) 
👉 正解:write(名前を書いてください)
✅ 例文2(会話)
A: Turn right.(右に曲がって)
B: Oh, I thought you said “write”!(書けって言ったのかと思った)
🎯 まとめ
このように、ミニマルペアをクイズや会話形式で練習すると、発音の違いを「体感」しながら学べます。特に「勘違いしやすい会話例」を意識すると、英語での誤解を防ぎやすくなります。

  
  
  
  

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