- 5例でスッキリ!英語の語順とフォーカス
- はじめに:英語は「並び」で意味を運ぶよ
 - トピックとフォーカスってなに?
 - 英語の基本並び:SVO(主語・動詞・目的語)
 - 質問文でのフォーカス:質問語(What/Who…)の位置
 - 「だれが・なにを」強調したい時:It-cleft(イット分裂文)
 - 並び以外のヒント:強勢(ストレス)とイントネーション
 - 「場所」で意味が変わるミニ例
 - 日本語とのちがい:助詞 vs. 並び
 - よくある失敗エピソード(予想も含む)
 - 使ってみよう:ミニ練習(★がフォーカス)
 - 便利テンプレ(会話でサッと使える)
 - ミニ会話で確認
 - 学校あるあるの勘違いを回避
 - まとめ:英語は「並び」と「言い方」で光を当てる
 - 参考ショート例(復習用)
 - 語順とフォーカス日常会話例15選
- 1)基本の疑問詞前置:What do you want?
 - 2)聞き返しフォーカス:You want what?
 - 3)It-cleft で人物にスポット:It was John who called.
 - 4)It-cleft でモノにスポット:It was a taxi that I took.
 - 5)only の位置で意味が激変(動詞にかかる)
 - 6)only の位置で意味が激変(主語にかかる)
 - 7)only の位置で意味が激変(目的語にかかる)
 - 8)語末フォーカス(色を強調)
 - 9)場所句の位置と情報の重さ
 - 10)トピックを前に出す前置き:As for 〜
 - 11)平叙→疑問でフォーカスが動く
 - 12)聞き返しはソフトに(単語だけフォーカス)
 - 13)前置詞句の前出しで対比フォーカス
 - 14)否定語の位置でスコープ(広がり)が変わる
 - 15)疑問詞残しのエコー疑問(相手の語をそのまま焦点化)
 
 - 失敗しやすいポイント(フォロー策つき)
 - まとめ
 - おまけ:今日のチェックリスト
 - 関連投稿:
 
 
5例でスッキリ!英語の語順とフォーカス
はじめに:英語は「並び」で意味を運ぶよ
日本語は「〜は」「〜が」「〜を」などの助詞で、だれが何をしたかを伝えます。
英語はちょっとちがって、語順(ならび)がとても大事。言葉の場所や強く言うところで、「話の中心(トピック)」や「とくに言いたいところ(フォーカス)」を聞き手に教えます。
トピックとフォーカスってなに?
- トピック(Topic):いま話している「話題」。
例)「ケーキの話をしてるよ」 - フォーカス(Focus):その文の「いちばん伝えたい新情報」。
例)「いちごのケーキだよ」のいちご部分 
日本語だと「ケーキはいちごが好き」と助詞でわかります。
英語だと並びや文の形で見せます。
英語の基本並び:SVO(主語・動詞・目的語)
- **主語(S)**が先、**動詞(V)**がまん中、**目的語(O)**がうしろ
- John ate cake.(ジョンがケーキを食べた)
 
 - ふつう、この形で「新しいところ(フォーカス)」はうしろよりに来ることが多いです。
- John ate cake. → 何を食べた? ケーキだよ(cakeがフォーカス)
 
 
質問文でのフォーカス:質問語(What/Who…)の位置
1)What do you want?
- 基本の疑問詞前置:
 
🔊 ワッ(ト) ドゥ ユー ウォン(ト)?
✅ 何が欲しいの?
- 直訳:あなたは何がほしい?
 - What が文頭=「欲しいモノ」にフォーカス
 - 答えは新情報:I want a pencil.(ア ペンソル)
 - えんぴつがほしい
 
2)You want what?
- 聞き返しのフォーカス:
 
🔊 ユー ウォン(ト) ホワッ(ト)?
✅ 今なんて言ったの?(驚き・聞き返し)
- 直訳:あなた、何がほしいって言ったの?(聞き返し)
 - 文末のwhatに強いアクセントが乗って、「what(なに?)」がビックリや聞き返しのフォーカスに。
 - やわらかく言うなら:Sorry, what did you say?(ソーリ、ホワッ ディ ジュ セイ?)
 - 友だちが小さい声で言って聞き取れなかった時に使う感じ。
 
✅ポイント
- 疑問詞が先頭:ふつうの質問(情報をたずねる)
 - 疑問詞が文末:聞き返し・驚き(口調も強め)
 
「だれが・なにを」強調したい時:It-cleft(イット分裂文)
1):It was John who called.
- It-cleft で人物にスポット
 
🔊 イッ(ト) ワズ ジョン フー コールド
✅ 電話したのはジョンだった
- 意味:電話したのはジョンだった(ジョンにフォーカス)
 - It was + John + who … で John を強調
 - ふつう版:John called.(ジョンが電話した)
 - 形:It was X who/that …
→ Xにスポットライトを当てる文の作り方 
同じ情報でも並びで「どこを目立たせたいか」を変えられます。
- John called.(ただの事実)
 - It was John who called.(電話したのはジョンだよ!)
 
✅覚えやすいコツ
- It was + 目立たせたい部分 + who/that + 残り
 - 人なら who、物・ことなら that がよく使われます(会話では who でも that でも通じます)
 
並び以外のヒント:強勢(ストレス)とイントネーション
英語では、強く言う場所がフォーカスの合図になります。
- I wanted the RED one.(赤いやつがほしかったんだよ:REDにフォーカス)
 - 同じ語順でも、どこを強く言うかで意味の中心が動くよ。
 
「場所」で意味が変わるミニ例
- I only like pizza.(ピザだけが好き)
 - Only I like pizza.(ピザが好きなのは私だけ)
 - only の位置が変わると、フォーカスが変わる=意味が変わる!
 
日本語とのちがい:助詞 vs. 並び
- 日本語:**「は」「が」**などで役割を見せやすい
例)ジョンは電話した(トピックはジョン) - 英語:語順と強勢で見せる
例)It was John who called.(ジョンがフォーカス) 
だから、英語では並びを変える=目立たせどころを変えること。ここがポイント!
よくある失敗エピソード(予想も含む)
①「聞き返し」のつもりが、ぶっきらぼうに…
- 友だち:I want a sheet.(シートがほしい)
 - あなた:You want what?(今なんて?)
 - イントネーションが強すぎて、相手が「怒ってる?」と感じてしまうことも。
👉やさしく聞くなら “Sorry, what do you want?” や “Sorry, a what?” が安心。 
② only の場所ミスで意味がズレる
- 言いたい:私だけがそれを知ってる
 - 誤:I know only that.(私はそれだけ知ってる)←意味が別
 - 正:Only I know that.(知っているのは私だけ)
 
③ It-cleft を乱用して不自然
- なんでもかんでも It was … who … を使うと、ニュース風で固すぎる。
 - 会話では、まずはふつうの SVO、強く言いたいところに声の強さでフォーカスを置くのが自然。
 
④ フォーカスしたい語を弱く読んで伝わらない
- I wanted the RED one. を
I WANTed the red one. と want に力を置くと、「欲しかったんだよ!」が目立ち、色の情報が伝わりにくい。 
使ってみよう:ミニ練習(★がフォーカス)
- 答えの最後に新情報を置く
 
- Q: What did you buy?
 - A: I bought ★a notebook.(ノートを買った)
 
- It-cleft でだれを目立たせる?
 
- It was ★Emma who broke the news.(知らせたのはエマ)
 
- only の位置で意味を変える
 
- I only ★saw him.(私は彼を見ただけ)
 - Only ★I saw him.(私だけが彼を見た)
 
- 聞き返しはソフトに
 
- Sorry, what did you say?
 - Sorry, a what?(その単語だけ聞き返す)
 
便利テンプレ(会話でサッと使える)
- 「〜したのはXだよ」
→ It was X who/that … - 「Xだけ」
→ Only X … / I only V …(only の位置に注意) - 「今なんて?」(やわらかく)
→ Sorry, what was that? / Sorry, what did you say? 
ミニ会話で確認
A: Who fixed the printer?(だれがプリンター直したの?)
B: It was Ken who fixed it.(直したのはケンだよ)
→ Ken がフォーカス。
別パターン:
B: Ken fixed it.(普通の言い方。必要なら Ken を強く言う)
学校あるあるの勘違いを回避
- 語順を崩さない:S(だれが)→V(どうした)→O(なにを)
 - 強く言う場所に注意:いちばん言いたいところをはっきり
 - ていねいな聞き返しを使う:Sorry? / Pardon? / Could you say that again?
 
まとめ:英語は「並び」と「言い方」で光を当てる
- 日本語の助詞の役目の一部を、英語では語順が担当
 - 先頭の疑問詞、It-cleft、only の位置、強勢で「どこが大事か」を伝える
 - 迷ったら、まずふつうのSVO+強く言いたい語をはっきり。それで十分「通じる英語」になります!
 
参考ショート例(復習用)
- What do you want?(なにが欲しい?)→ 欲しい物にフォーカス
 - You want what?(今なんて?)→ what にフォーカス(聞き返し)
 - It was John who called.(電話したのはジョン)→ John にフォーカス
 
語順とフォーカス日常会話例15選
1)基本の疑問詞前置:What do you want?
🔤 What do you want?
🔊 ワッ(ト) ドゥ ユー ウォン(ト)?
✅ 何が欲しいの?
・疑問詞 What を先頭に置く=「欲しい“もの”」がフォーカス(新情報)
・答えは新情報の名詞で返す:I want a pencil.(アイ ワン(ト) ア ペンソル)
・丁寧:What would you like?(ワッ(ト) ウッジュー ライク?)=店・接客で自然
2)聞き返しフォーカス:You want what?
🔤 You want what?
🔊 ユー ウォン(ト) ホワッ(ト)?
✅ 今なんて言ったの?(驚き・確認のフォーカス)
・文末 what に強勢→「え、何って?」のニュアンス
・柔らかい確認:Sorry, what did you say?(ソーリ,ホワッ ディ ジュ セイ?)
・名詞だけ聞き返す:Sorry, a what?(ソーリ,ア ホワッ?)
3)It-cleft で人物にスポット:It was John who called.
🔤 It was John who called.
🔊 イッ(ト) ワズ ジョン フー コールド
✅ 電話したのはジョンだった
・型:It was + 焦点 + who/that + 残り
・情報構造:既知(だれかが電話)+新情報(それがジョン)
・ふつう版:John called.(ジョンが電話した)— 強く言う場所でフォーカスも可
4)It-cleft でモノにスポット:It was a taxi that I took.
🔤 It was a taxi that I took.
🔊 イッ(ト) ワズ ア タクシー ザッ(ト) アイ トゥック
✅ 私が乗ったのはタクシーだった
・人=who/物・事=that が選ばれやすい(会話はどちらでも通じる)
・背景に「電車?バス?タクシー?」の候補がある時に“答え”を前に出せる
5)only の位置で意味が激変(動詞にかかる)
🔤 I only saw him.
🔊 アイ オウンリー ソー ヒム
✅ 私は彼を見ただけ(会った・話したのではない)
・only が saw(動詞)を限定=「行為の限定」
・似た誤解を防ぐには、必要なら語を補う:I only saw him, I didn’t talk.
6)only の位置で意味が激変(主語にかかる)
🔤 Only I saw him.
🔊 オウンリー アイ ソー ヒム
✅ 私だけが彼を見た(他の人は見ていない)
・only が I を限定=「だれが」の限定
・文頭 Only は強い焦点。言い過ぎ感を避けたい時は I was the only one who saw him.
7)only の位置で意味が激変(目的語にかかる)
🔤 I saw only him.
🔊 アイ ソー オウンリー ヒム
✅ 私が見たのは彼だけ
・only が him を限定=「対象の限定」
・ほのめかし:彼以外は見ていない(暗に他の人は含まれない)
8)語末フォーカス(色を強調)
🔤 I wanted the RED one.
🔊 アイ ワン(テ)ド ザ レッ(ド) ワン
✅ 私が欲しかったのは赤のやつ
・色(新情報)に強勢=RED を強める
・wanted に強勢を置くと「欲しかったんだ!」が前面→“色”の焦点が弱まる
9)場所句の位置と情報の重さ
🔤 John ate cake at school.
🔊 ジョン エイ(ト) ケイク アッ(ト) スクール
✅ ジョンは学校でケーキを食べた
・新情報は語尾寄りに置かれやすい→at school を後置で自然
・場所を前に出すとトピック化:At school, John ate cake.(場所が話題)
10)トピックを前に出す前置き:As for 〜
🔤 As for the cake, John ate it.
🔊 アズ フォー ザ ケイク,ジョン エイ(ト) イッ(ト)
✅ ケーキの話だけど、ジョンが食べたよ
・As for … / About … は「話題(トピック)」導入
・読者・聞き手に「今からこれについて話すよ」と合図できる
11)平叙→疑問でフォーカスが動く
🔤 You like pizza.
🔊 ユー ライク ピーザ
✅ 君はピザが好きだ(既知・確認)
🔤 Do you like pizza?
🔊 ドゥ ユー ライク ピーザ?
✅ ピザが好き?(like pizza が新情報フォーカス)
12)聞き返しはソフトに(単語だけフォーカス)
🔤 Sorry, a WHAT?
🔊 ソーリ,ア ホワッ(ト)?
✅ え、何?(その名詞だけ聞き直す)
・例:I want a sheet. → Sorry, a WHAT?(シート/シーツの紛らわしさを確認)
・丁寧寄り:Sorry, what was the word?
13)前置詞句の前出しで対比フォーカス
🔤 In the MORNING, I study; at NIGHT, I relax.
🔊 イン ザ モーニン,アイ スタディ;アッ(ト) ナイト,アイ リラックス
✅ 朝は勉強して、夜はリラックスする
・時間句を文頭に出すとトピック化&MORNING/NIGHT に対比フォーカス
・同じ主語・動詞でも、配置で「切り替わり」をくっきり示せる
14)否定語の位置でスコープ(広がり)が変わる
🔤 I didn’t just call him. I met him.
🔊 アイ ディドゥン ジャス(ト) コール ヒム。アイ メッ(ト) ヒム。
✅ 私は彼に電話しただけじゃない。会ったんだよ。
・not の焦点が just にかかる=「“だけ”ではない」の対比
・I didn’t call him. I texted him. と違い、行為の“程度”を修正する言い方
15)疑問詞残しのエコー疑問(相手の語をそのまま焦点化)
🔤 You bought a WHAT?
🔊 ユー ボー(ト) ア ホワッ(ト)?
✅ え、何を買ったって?
・相手発話を部分的に“エコー(反復)”して、その箇所をフォーカス
・強すぎるとキツい印象→声を上げ過ぎない・語尾を柔らかく
・名詞だけでなく形容詞も可能:It was HOW expensive?(どれだけ高かったって?)
失敗しやすいポイント(フォロー策つき)
- only の誤配置:言いたい限定対象に only を直接置く(主語/動詞/目的語)
例:Only I / I only V / I V only N - 強勢の置きどころ:フォーカス語を強く・ゆっくり・はっきり。他は軽く短く。
 - 聞き返しのトーン:You want what? は強く言うと角が立つ → Sorry, what did you say? へ。
 
まとめ
- SVOの語順を守り、フォーカス語を太字+強勢で示した
 - only の位置が意図と一致している
 - 聞き返し表現がていねいになっている
 - トピック化(As for…, 文頭前置詞句など)で流れが分かりやすい
 
おまけ:今日のチェックリスト
- SVOの並びをキープした?
 - フォーカスしたい語を強く言えた?
 - only の位置、合ってる?
 - 聞き返しはソフトに言えた?
 

  
  
  
  

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