英語は語順が命:トピックと焦点の使い分け

英語のしくみ
  1. 5例でスッキリ!英語の語順とフォーカス
    1. はじめに:英語は「並び」で意味を運ぶよ
    2. トピックとフォーカスってなに?
    3. 英語の基本並び:SVO(主語・動詞・目的語)
    4. 質問文でのフォーカス:質問語(What/Who…)の位置
      1. 1)What do you want?
        1. 🔊 ワッ(ト) ドゥ ユー ウォン(ト)?
        2. ✅ 何が欲しいの?
      2. 2)You want what?
        1. 🔊 ユー ウォン(ト) ホワッ(ト)?
        2. ✅ 今なんて言ったの?(驚き・聞き返し)
    5. 「だれが・なにを」強調したい時:It-cleft(イット分裂文)
      1. 1):It was John who called.
        1. 🔊 イッ(ト) ワズ ジョン フー コールド
        2. ✅ 電話したのはジョンだった
    6. 並び以外のヒント:強勢(ストレス)とイントネーション
    7. 「場所」で意味が変わるミニ例
    8. 日本語とのちがい:助詞 vs. 並び
    9. よくある失敗エピソード(予想も含む)
      1. ①「聞き返し」のつもりが、ぶっきらぼうに…
      2. ② only の場所ミスで意味がズレる
      3. ③ It-cleft を乱用して不自然
      4. ④ フォーカスしたい語を弱く読んで伝わらない
    10. 使ってみよう:ミニ練習(★がフォーカス)
    11. 便利テンプレ(会話でサッと使える)
    12. ミニ会話で確認
    13. 学校あるあるの勘違いを回避
    14. まとめ:英語は「並び」と「言い方」で光を当てる
    15. 参考ショート例(復習用)
    16. 語順とフォーカス日常会話例15選
      1. 1)基本の疑問詞前置:What do you want?
      2. 2)聞き返しフォーカス:You want what?
      3. 3)It-cleft で人物にスポット:It was John who called.
      4. 4)It-cleft でモノにスポット:It was a taxi that I took.
      5. 5)only の位置で意味が激変(動詞にかかる)
      6. 6)only の位置で意味が激変(主語にかかる)
      7. 7)only の位置で意味が激変(目的語にかかる)
      8. 8)語末フォーカス(色を強調)
      9. 9)場所句の位置と情報の重さ
      10. 10)トピックを前に出す前置き:As for 〜
      11. 11)平叙→疑問でフォーカスが動く
      12. 12)聞き返しはソフトに(単語だけフォーカス)
      13. 13)前置詞句の前出しで対比フォーカス
      14. 14)否定語の位置でスコープ(広がり)が変わる
      15. 15)疑問詞残しのエコー疑問(相手の語をそのまま焦点化)
    17. 失敗しやすいポイント(フォロー策つき)
    18. まとめ
    19. おまけ:今日のチェックリスト
    20. 関連投稿:

5例でスッキリ!英語の語順とフォーカス

はじめに:英語は「並び」で意味を運ぶよ

日本語は「〜は」「〜が」「〜を」などの助詞で、だれが何をしたかを伝えます。
英語はちょっとちがって、語順(ならび)がとても大事。言葉の場所強く言うところで、「話の中心(トピック)」や「とくに言いたいところ(フォーカス)」を聞き手に教えます。


トピックとフォーカスってなに?

  • トピック(Topic):いま話している「話題」。
    例)「ケーキの話をしてるよ」
  • フォーカス(Focus):その文の「いちばん伝えたい新情報」。
    例)「いちごのケーキだよ」のいちご部分

日本語だと「ケーキいちご好き」と助詞でわかります。
英語だと並び文の形で見せます。


英語の基本並び:SVO(主語・動詞・目的語)

  • **主語(S)**が先、**動詞(V)**がまん中、**目的語(O)**がうしろ
    • John ate cake.(ジョンがケーキを食べた)
  • ふつう、この形で「新しいところ(フォーカス)」はうしろよりに来ることが多いです。
    • John ate cake. → 何を食べた? ケーキだよ(cakeがフォーカス)

質問文でのフォーカス:質問語(What/Who…)の位置

1)What do you want?

  • 基本の疑問詞前置:
🔊 ワッ(ト) ドゥ ユー ウォン(ト)?
✅ 何が欲しいの?
  • 直訳:あなたは何がほしい?
  • What が文頭=「欲しいモノ」にフォーカス
  • 答えは新情報:I want a pencil.(ア ペンソル)
  • えんぴつがほしい

2)You want what?

  • 聞き返しのフォーカス:
🔊 ユー ウォン(ト) ホワッ(ト)?
✅ 今なんて言ったの?(驚き・聞き返し)
  • 直訳:あなた、何がほしいって言ったの?(聞き返し)
  • 文末のwhatに強いアクセントが乗って、「what(なに?)」がビックリ聞き返しのフォーカスに。
  • やわらかく言うなら:Sorry, what did you say?(ソーリ、ホワッ ディ ジュ セイ?)
  • 友だちが小さい声で言って聞き取れなかった時に使う感じ。

✅ポイント

  • 疑問詞が先頭:ふつうの質問(情報をたずねる)
  • 疑問詞が文末:聞き返し・驚き(口調も強め)

「だれが・なにを」強調したい時:It-cleft(イット分裂文)

1):It was John who called.

  • It-cleft で人物にスポット
🔊 イッ(ト) ワズ ジョン フー コールド
✅ 電話したのはジョンだった
  • 意味:電話したのはジョンだった(ジョンにフォーカス
  • It was + John + who …John を強調
  • ふつう版:John called.(ジョンが電話した)
  • 形:It was X who/that …
    Xにスポットライトを当てる文の作り方

同じ情報でも並びで「どこを目立たせたいか」を変えられます。

  • John called.(ただの事実)
  • It was John who called.(電話したのはジョンだよ!)

✅覚えやすいコツ

  • It was + 目立たせたい部分 + who/that + 残り
  • 人なら who、物・ことなら that がよく使われます(会話では who でも that でも通じます)

並び以外のヒント:強勢(ストレス)とイントネーション

英語では、強く言う場所がフォーカスの合図になります。

  • I wanted the RED one.(赤いやつがほしかったんだよ:REDにフォーカス)
  • 同じ語順でも、どこを強く言うかで意味の中心が動くよ。

「場所」で意味が変わるミニ例

  • I only like pizza.(ピザだけが好き)
  • Only I like pizza.(ピザが好きなのは私だけ
  • only の位置が変わると、フォーカスが変わる=意味が変わる!

日本語とのちがい:助詞 vs. 並び

  • 日本語:**「は」「が」**などで役割を見せやすい
    例)ジョンは電話した(トピックはジョン)
  • 英語:語順強勢で見せる
    例)It was John who called.(ジョンがフォーカス)

だから、英語では並びを変える=目立たせどころを変えること。ここがポイント!


よくある失敗エピソード(予想も含む)

①「聞き返し」のつもりが、ぶっきらぼうに…

  • 友だち:I want a sheet.(シートがほしい)
  • あなた:You want what?(今なんて?)
  • イントネーションが強すぎて、相手が「怒ってる?」と感じてしまうことも。
    👉やさしく聞くなら “Sorry, what do you want?”“Sorry, a what?” が安心。

② only の場所ミスで意味がズレる

  • 言いたい:私だけがそれを知ってる
  • 誤:I know only that.(私はそれだけ知ってる)←意味が別
  • 正:Only I know that.(知っているのは私だけ

③ It-cleft を乱用して不自然

  • なんでもかんでも It was … who … を使うと、ニュース風で固すぎる。
  • 会話では、まずはふつうの SVO、強く言いたいところに声の強さでフォーカスを置くのが自然。

④ フォーカスしたい語を弱く読んで伝わらない

  • I wanted the RED one.
    I WANTed the red one.want に力を置くと、「欲しかったんだよ!」が目立ち、色の情報が伝わりにくい。

使ってみよう:ミニ練習(★がフォーカス)

  1. 答えの最後に新情報を置く
  • Q: What did you buy?
  • A: I bought ★a notebook.ノートを買った)
  1. It-cleft でだれを目立たせる?
  • It was ★Emma who broke the news.(知らせたのはエマ
  1. only の位置で意味を変える
  • I only ★saw him.(私は彼を見ただけ
  • Only ★I saw him.私だけが彼を見た)
  1. 聞き返しはソフトに
  • Sorry, what did you say?
  • Sorry, a what?(その単語だけ聞き返す)

便利テンプレ(会話でサッと使える)

  • 「〜したのはXだよ」
    It was X who/that …
  • 「Xだけ」
    Only X / I only Vonly の位置に注意)
  • 「今なんて?」(やわらかく)
    Sorry, what was that? / Sorry, what did you say?

ミニ会話で確認

A: Who fixed the printer?(だれがプリンター直したの?)
B: It was Ken who fixed it.(直したのはケンだよ)
Ken がフォーカス。
別パターン:
B: Ken fixed it.(普通の言い方。必要なら Ken を強く言う)


学校あるあるの勘違いを回避

  • 語順を崩さない:S(だれが)→V(どうした)→O(なにを)
  • 強く言う場所に注意:いちばん言いたいところをはっきり
  • ていねいな聞き返しを使う:Sorry? / Pardon? / Could you say that again?

まとめ:英語は「並び」と「言い方」で光を当てる

  • 日本語の助詞の役目の一部を、英語では語順が担当
  • 先頭の疑問詞It-cleftonly の位置強勢で「どこが大事か」を伝える
  • 迷ったら、まずふつうのSVO強く言いたい語をはっきり。それで十分「通じる英語」になります!

参考ショート例(復習用)

  • What do you want?(なにが欲しい?)→ 欲しい物にフォーカス
  • You want what?(今なんて?)→ what にフォーカス(聞き返し)
  • It was John who called.(電話したのはジョン)→ John にフォーカス

語順とフォーカス日常会話例15選

1)基本の疑問詞前置:What do you want?

🔤 What do you want?
🔊 ワッ(ト) ドゥ ユー ウォン(ト)?
✅ 何が欲しいの?
・疑問詞 What を先頭に置く=「欲しい“もの”」がフォーカス(新情報)
・答えは新情報の名詞で返す:I want a pencil.(アイ ワン(ト) ア ペンソル)
・丁寧:What would you like?(ワッ(ト) ウッジュー ライク?)=店・接客で自然


2)聞き返しフォーカス:You want what?

🔤 You want what?
🔊 ユー ウォン(ト) ホワッ(ト)?
✅ 今なんて言ったの?(驚き・確認のフォーカス)
・文末 what に強勢→「え、って?」のニュアンス
・柔らかい確認:Sorry, what did you say?(ソーリ,ホワッ ディ ジュ セイ?)
・名詞だけ聞き返す:Sorry, a what?(ソーリ,ア ホワッ?)


3)It-cleft で人物にスポット:It was John who called.

🔤 It was John who called.
🔊 イッ(ト) ワズ ジョン フー コールド
✅ 電話したのはジョンだった
・型:It was + 焦点 + who/that + 残り
・情報構造:既知(だれかが電話)+新情報(それがジョン
・ふつう版:John called.(ジョンが電話した)— 強く言う場所でフォーカスも可


4)It-cleft でモノにスポット:It was a taxi that I took.

🔤 It was a taxi that I took.
🔊 イッ(ト) ワズ ア タクシー ザッ(ト) アイ トゥック
✅ 私が乗ったのはタクシーだった
・人=who/物・事=that が選ばれやすい(会話はどちらでも通じる)
・背景に「電車?バス?タクシー?」の候補がある時に“答え”を前に出せる


5)only の位置で意味が激変(動詞にかかる)

🔤 I only saw him.
🔊 アイ オウンリー ソー ヒム
✅ 私は彼を見ただけ(会った・話したのではない)
onlysaw(動詞)を限定=「行為の限定」
・似た誤解を防ぐには、必要なら語を補う:I only saw him, I didn’t talk.


6)only の位置で意味が激変(主語にかかる)

🔤 Only I saw him.
🔊 オウンリー アイ ソー ヒム
私だけが彼を見た(他の人は見ていない)
onlyI を限定=「だれが」の限定
・文頭 Only は強い焦点。言い過ぎ感を避けたい時は I was the only one who saw him.


7)only の位置で意味が激変(目的語にかかる)

🔤 I saw only him.
🔊 アイ ソー オウンリー ヒム
✅ 私が見たのは彼だけ
onlyhim を限定=「対象の限定」
・ほのめかし:彼以外は見ていない(暗に他の人は含まれない)


8)語末フォーカス(色を強調)

🔤 I wanted the RED one.
🔊 アイ ワン(テ)ド ザ レッ(ド) ワン
✅ 私が欲しかったのはのやつ
・色(新情報)に強勢=RED を強める
wanted に強勢を置くと「欲しかったんだ!」が前面→“色”の焦点が弱まる


9)場所句の位置と情報の重さ

🔤 John ate cake at school.
🔊 ジョン エイ(ト) ケイク アッ(ト) スクール
✅ ジョンは学校でケーキを食べた
・新情報は語尾寄りに置かれやすい→at school を後置で自然
・場所を前に出すとトピック化:At school, John ate cake.(場所が話題)


10)トピックを前に出す前置き:As for 〜

🔤 As for the cake, John ate it.
🔊 アズ フォー ザ ケイク,ジョン エイ(ト) イッ(ト)
ケーキの話だけど、ジョンが食べたよ
As for … / About … は「話題(トピック)」導入
・読者・聞き手に「今からこれについて話すよ」と合図できる


11)平叙→疑問でフォーカスが動く

🔤 You like pizza.
🔊 ユー ライク ピーザ
✅ 君はピザが好きだ(既知・確認)
🔤 Do you like pizza?
🔊 ドゥ ユー ライク ピーザ?
ピザが好き?like pizza が新情報フォーカス)


12)聞き返しはソフトに(単語だけフォーカス)

🔤 Sorry, a WHAT?
🔊 ソーリ,ア ホワッ(ト)?
✅ え、?(その名詞だけ聞き直す)
・例:I want a sheet.Sorry, a WHAT?(シート/シーツの紛らわしさを確認)
・丁寧寄り:Sorry, what was the word?


13)前置詞句の前出しで対比フォーカス

🔤 In the MORNING, I study; at NIGHT, I relax.
🔊 イン ザ モーニン,アイ スタディ;アッ(ト) ナイト,アイ リラックス
は勉強して、はリラックスする
・時間句を文頭に出すとトピック化&MORNING/NIGHT に対比フォーカス
・同じ主語・動詞でも、配置で「切り替わり」をくっきり示せる


14)否定語の位置でスコープ(広がり)が変わる

🔤 I didn’t just call him. I met him.
🔊 アイ ディドゥン ジャス(ト) コール ヒム。アイ メッ(ト) ヒム。
✅ 私は彼に電話しただけじゃない会ったんだよ。
not の焦点が just にかかる=「“だけ”ではない」の対比
I didn’t call him. I texted him. と違い、行為の“程度”を修正する言い方


15)疑問詞残しのエコー疑問(相手の語をそのまま焦点化)

🔤 You bought a WHAT?
🔊 ユー ボー(ト) ア ホワッ(ト)?
✅ え、を買ったって?
・相手発話を部分的に“エコー(反復)”して、その箇所をフォーカス
・強すぎるとキツい印象→声を上げ過ぎない・語尾を柔らかく
・名詞だけでなく形容詞も可能:It was HOW expensive?(どれだけ高かったって?)


失敗しやすいポイント(フォロー策つき)

  • only の誤配置:言いたい限定対象に only を直接置く(主語/動詞/目的語)
    例:Only I / I only V / I V only N
  • 強勢の置きどころ:フォーカス語を強く・ゆっくり・はっきり。他は軽く短く。
  • 聞き返しのトーンYou want what? は強く言うと角が立つ → Sorry, what did you say? へ。

まとめ

  • SVOの語順を守り、フォーカス語を太字+強勢で示した
  • only の位置が意図と一致している
  • 聞き返し表現がていねいになっている
  • トピック化(As for…, 文頭前置詞句など)で流れが分かりやすい

おまけ:今日のチェックリスト

  • SVOの並びをキープした?
  • フォーカスしたい語を強く言えた?
  • only の位置、合ってる?
  • 聞き返しはソフトに言えた?

コメント

タイトルとURLをコピーしました