All I Want For Christmas Is You 歌ってみよう

All I Want for Christmas Is Youネイティブ発音のコツ


今回は、マライア・キャリーの代表曲 “All I Want for Christmas Is You” の歌詞の中から、英語ネイティブが歌う際に発音が変化する箇所(リエゾン・省略・連結など)を5つ選び、それぞれに以下の情報を詳細に解説いたします。


✅ 分析対象のフレーズについて

まず、歌詞全体をサーチし、よく歌われる発音変化が現れる部分から選出しています。以下に紹介する5つの箇所は、いずれもネイティブが歌や会話でよく行う発音の特徴を含んでおり、日本人学習者が聞き取りづらい原因にもなっています。


🎵 1. “All I want for Christmas is you”

  • 該当箇所の変化want for →「ウォンフォ」ではなく、「ワンファ」
  • 日本語訳:私がクリスマスに欲しいのはあなただけ
  • カタカナ発音:オーラィワンファークリスマスィズユー
  • 発音の変化の仕組み
    • want の最後の /t/ と、for の最初の /f/ がつながり、t が弱くなり [wɑːn fɚ] のような音になる。
    • t の音が摩擦音(/f/)の直前にあるため、“t”が脱落またはフラッピングされる。
  • 舌と口の使い方
    • want の最後の t は舌先を上前歯の裏側(歯茎)に近づけた瞬間にすぐ離すか、もしくは発音しない。
    • for の /f/ は下唇を上の前歯に軽く当てて息を吹き出す。
    • Christmas は/kɹɪs·məs/のように、/t/ が省略されやすく「クリスマス」ではなく「クリスマス」となる。

🎵 2. “I just want you for my own”

  • 該当箇所の変化just want you →「ジャストウォントユー」ではなく、「ジャスウォンチュー」
  • 日本語訳:私はただ、あなただけが欲しいの
  • カタカナ発音:アイジャスウォンチューフォーマイオウン
  • 発音の変化の仕組み
    • justtwant に連結することで軽くなり、just want が「ジャスウォン」に。
    • want you はリエゾンによって tyou がつながり、“t + y” → チ音(/tʃ/) に変化する。
    • これにより「ウォントユー」ではなく「ウォンチュー」に近くなる。
  • 舌と口の使い方
    • justt を言うか言わないか微妙なところ(ほぼ無音)。
    • want you の「チュー」部分は、舌先を上前歯の裏につけてから「チ」と発音。
    • 「チュ」ではなく、軽く「チュー」と口をすぼめて柔らかく息を吐く。

🎵 3. “There is just one thing I need”

  • 該当箇所の変化There is →「ゼアーイズ」ではなく、「ゼァリズ」
  • 日本語訳:私に必要なものは、たったひとつだけ
  • カタカナ発音:ゼァリズジャスワンシンアイニード
  • 発音の変化の仕組み
    • there is はよく縮約されて “there’s”(ゼァズ)と発音される。
    • 歌ではリズムの都合で「ゼァリズ」とやや明瞭に発音されることもあるが、連結と縮約の複合で聞こえにくくなる。
  • 舌と口の使い方
    • there の /ð/ は舌先を上の前歯に軽く当てて摩擦させる。
    • is の /ɪz/ は口を少し横に開けてリラックスした状態で「ィズ」と発音。
    • スムーズに繋げるためには、舌をあまり動かさず一息で「ゼァリズ」。

🎵 4. “I don’t care about the presents”

  • 該当箇所の変化don’t care about →「ドント ケア アバウト」ではなく、「ドンケァラバウッ」
  • 日本語訳:プレゼントなんて気にしない
  • カタカナ発音:アイドンケァラバウッダプレズンツ
  • 発音の変化の仕組み
    • don’tt が省略されやすく、「ドン」となる。
    • care aboutra が繋がり「ケァラバウッ」と連結する。
    • about theth が曖昧に発音され、「アバウッダ」または「アバウッザ」に聞こえることも。
  • 舌と口の使い方
    • don’tt は舌先を使わずに省略。
    • carer から abouta への滑らかな連結には舌を少し後ろに引く。
    • theth は舌先を歯の間に軽く入れて「ザ」または「ダ」のように発音。

🎵 5. “Underneath the Christmas tree”

  • 該当箇所の変化underneath the →「アンダーニース ザ」ではなく、「アンダニースダ」
  • 日本語訳:クリスマスツリーの下で
  • カタカナ発音:アンダニースダクリスマスツリー
  • 発音の変化の仕組み
    • underneathththeth が続くため、一つの th 音にまとめられるか、**”the” が弱くなって「ダ」**になる。
    • the Christmas treethe は /ðə/ ではなく /də/ に近くなり、曖昧な音に。
  • 舌と口の使い方
    • underneathth は舌先を前歯に当てる。
    • その後すぐに the を続けるときに、同じ舌の位置を維持して無声音または有声音で続ける。
    • the が「ダ」のように聞こえるのは、舌先を上前歯の裏につけて「d」音として発音しているため。

📝 まとめ

歌詞のフレーズ本来の発音変化後の発音カタカナ表記
All I want for Christmas is youwɑnt fɔːrwɑn fɚワンファー
I just want you for my ownwant youwɑnʧuウォンチュー
There is just one thing I needthere isðɛɹɪz → ðɛɹzゼァズ
I don’t care about the presentsdon’t caredoʊn keəɹ → don keəドンケァ
Underneath the Christmas treeunderneath theʌndəniːθ ðə → ʌndəniːθ dəアンダニースダ

ネイティブが会話の中で自然に使う10の例文

ここでは、**「All I Want for Christmas Is You」で登場した音のつながり(リエゾン・リンキング)**に関連する単語を使い、ネイティブが会話の中で自然に使う10の例文を紹介します。

各例文には、以下の情報を詳細に解説します:

  • 日本語訳
  • カタカナでの近い発音表記
  • リエゾン・リンキングが起きる箇所と理由
  • 発音時の舌の形・位置
  • 口の形と息の吐き方

🎧 1. I just want you to know that.

  • 日本語訳:ただ、それを君に知っていてほしいんだ。
  • カタカナ発音:アイジャスウォンチューナウザッ
  • 音の変化ポイント
    • just wantジャスウォンt が弱まり「ジャス」となる。
    • want youウォンチューt + y = ch音に。
    • to knowトゥナウ:短く滑らかに。
  • 舌と口の使い方
    • just の「t」はほぼ発音せず、舌先は上の歯茎に軽く触れて止める。
    • want you の「チュー」では、舌先を歯茎に当てた後、息を押し出しながら離す。
    • know の「ナウ」は、舌を下げて口をすぼめるように。

🎧 2. Don’t care about it too much.

  • 日本語訳:そんなに気にしすぎないで。
  • カタカナ発音:ドンケァラバウリットゥーマッチ
  • 音の変化ポイント
    • don'tドンt が脱落)
    • care aboutケァラバウ:rとaが連結
    • about itアバウリッt + it でリエゾン
  • 舌と口の使い方
    • care の “r” を巻きながら、次の母音「a」に滑らかにつなぐ。
    • about it の「リッ」では、舌先を軽く歯茎に当てる。

🎧 3. There’s only one thing I want.

  • 日本語訳:私が欲しいのはただ一つだけ。
  • カタカナ発音:ゼァゾウンリーワンシンアイウォン
  • 音の変化ポイント
    • There isゼァズ
    • is onlyゾウンリィ
    • thing Iシンガイng + I で鼻音の後にアイが続く
  • 舌と口の使い方
    • only の「ゾウンリィ」では、唇を突き出し気味で母音を響かせる。
    • thing の語尾 ng は舌の後ろを上あごに当てる。

🎧 4. I don’t want anything else.

  • 日本語訳:もう他には何も欲しくない。
  • カタカナ発音:アイドンワンネニシンゲルス
  • 音の変化ポイント
    • don’t wantドンワンt が脱落
    • want anythingワネニシン
    • thing elseシンゲルスg + e → 軟口蓋音+母音で滑らかに
  • 舌と口の使い方
    • want の「ワン」では、舌は中間位置。
    • thing else では、舌の後ろを軽く上げて「ン」とした後、「エ」にすぐ移行。

🎧 5. She wants you to be there.

  • 日本語訳:彼女は君にそこにいてほしいんだよ。
  • カタカナ発音:シウォンチューダビゼァ
  • 音の変化ポイント
    • wants youウォンチュー
    • to beトゥビー(短く)
    • be thereビゼァbe + th がつながる
  • 舌と口の使い方
    • you の部分は、「チュー」と舌先を歯茎に強く当てる。
    • there の「th」は、舌先を歯の間に置いて軽く振動。

🎧 6. All I want for you is happiness.

  • 日本語訳:私が君に望むのは幸せだけ。
  • カタカナ発音:オーラィワンファーユーイズハピネス
  • 音の変化ポイント
    • want forワンファーt + f の連結
    • for youファーユー
  • 舌と口の使い方
    • wantt は省略し、唇を軽く開けて「ワン」。
    • forf は下唇を上の歯に当てて息をこすり出す。

🎧 7. I care about what you think.

  • 日本語訳:君がどう思っているかを気にしているんだ。
  • カタカナ発音:アイケァラバウワチュスィンク
  • 音の変化ポイント
    • care aboutケァラバウ
    • what youワチュー(t + y = チ)
  • 舌と口の使い方
    • what you の「チュー」では舌先を歯茎に軽く当てる。
    • think の “th” では舌先を歯の間に入れ、摩擦を作る。

🎧 8. Do you want to come over?

  • 日本語訳:来たい?
  • カタカナ発音:ドュワナカモーヴァー?
  • 音の変化ポイント
    • do youドュ
    • want toワナ
    • come overカモーヴァー
  • 舌と口の使い方
    • do you の「ドュ」は舌をあまり使わず滑らかに。
    • overv は下唇を上の歯に軽く当てて息を震わせる。

🎧 9. Underneath the tree, there’s a surprise.

  • 日本語訳:ツリーの下にはサプライズがあるよ。
  • カタカナ発音:アンダニースダツリー、ゼァザサプライズ
  • 音の変化ポイント
    • underneath theアンダニースダ
    • there's aゼァザ
  • 舌と口の使い方
    • the の “th” は舌先を軽く前歯に当てて、「ダ」のように曖昧に。
    • there’sth も同様に軽く触れて有声音に。

🎧 10. I just want to be with you.

  • 日本語訳:君と一緒にいたいだけなんだ。
  • カタカナ発音:アイジャスワナビウィズユー
  • 音の変化ポイント
    • just wantジャスワン
    • want toワナ
    • be with youビウィズユー
  • 舌と口の使い方
    • withth では舌先を軽く上前歯に当て、柔らかく息を吐く。
    • you の /ju/ は口を丸くして「ユー」と伸ばす。

📝 まとめ

リエゾンやリンキングは、歌だけでなく日常会話でも自然に起こります。これらの感覚を身につけるには:

  • 口の形や舌の動きに意識を向けること
  • カタカナを参考にリズムを掴むこと
  • 何度も音読して音の「つながり」を体で覚えること

が大切です。

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